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業務用清掃ロボットなどを開発する中国企業「霞智科技(ROSIWIT)」がこのほど、プレシリーズA2で常春藤資本(Ivy Capital)から資金を調達した。2023年下半期に実施したプレシリーズA1でも数千万元(数億円超)を調達しており、2回のプレシリーズAを通じて総額1億元(約20億円)近くを調達した。資金は主に製品開発や販路拡大、海外リソースへの投資に用いられる。
中国政府の「第14次五カ年計画」でサービスロボット産業の促進が強調されてから、中国では特定用途のロボットやその実用化に対する支援がますます手厚くなっている。2023年1月に工業情報化部など17部門が共同で発表した「『ロボット+』応用行動実施案」では、配膳や配送、清掃などで活用できる業務用ロボットの開発を奨励し、活用シーンの開拓や製品形態の刷新を進めて、ロボットサービスの価値を高めるよう促している。
霞智科技は、中国通信機器大手・中興通訊(ZTE)の創業者である侯為貴氏が2021年に江蘇省南京市で設立した。「サービスロボット」と「AIと5Gの融合」に関わる技術開発に注力し、スマートサービスロボットを市場に投入している。従業員は100人規模で、うち研究開発スタッフが6割以上を占める。
同社のロボットは主に業務用市場をターゲットとしている。業務用ロボットは家庭用ロボットよりも複雑で、技術ハードルも高い。低速自動運転やシーン認識などの基幹技術が欠かせないほか、開発チームの業界に対する洞察力やAI技術の応用力、製品の改良スキルなどにも高いレベルが求められる。
霞智科技は開発に際して次の2点を意識している。まず、特定の用途に合致する製品を開発することで、競合製品に対する競争力を高め、商用化を実現すること。そして、進化し続けるスマート技術を活用し、ロボットの実際の機能にAIを組み入れた製品を打ち出すことだ。
こうした考え方をベースに、主力製品の屋内用清掃ロボット「Skywalker 50」と業務用ポリッシャー「Pilot One」は開発された。看板商品のSkywalker 50はプロ仕様で汎用性が高く、商業施設やオフィスビル、ホテル、病院、学校、会議センター、工場、倉庫など、さまざまなシーンで活用できる。年内にはSkywalkerシリーズから産業現場に特化したモデルを発売する予定だという。
トイレやレストランのキッチンなど、清掃ロボットが入れない狭いエリアでは、人がハンドルを持って操作するPilot Oneが活躍する。清掃ロボットと併用することで、機能や利用シーンを相互に補完し、徹底的なクリーニングが可能になる。Pilot Oneは、2023年に欧州の機械指令(MD)と無線機器指令(RED)に適合し、CEマークを取得した。
霞智科技は海外でもチームやサービスネットワークを整えている。地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の効果により、中国や日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなど15の国や地域での貿易コストが大幅に下がったこともあり、今年は海外市場のニーズにフォーカスし、より多くの製品やサービスを投入することを目指している。
*2024年3月7日のレート(1元=約21円)で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
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