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中国人の健康意識の高まりとともに、若者のライフスタイルにも健康消費が浸透しつつある。インプラントに注目が集まり、ドライアイスパが新風を巻き起こし、「眼鏡の複数本持ち」がトレンドとなっているように、ますます多くの若者が健康にお金をかけるようになっている。
中国国家統計局のデータによると、2023年の国民1人当たりの医療・健康関連支出は、前年比16%増の2460元(1元=約22円)に上り、個人消費支出の9.2%を占めた。旺盛な健康消費の背景には、次々と現れる新たなニーズがある。
中国の医療サービスプラットフォーム動脈網(VBDATA)が5月29日に生活関連サービスを手がける美団と共同で発表した「2023眼科・光学産業白書」によると、近視・遠視・乱視といった屈折異常は現在、中国人が眼科関連で抱えている主なトラブルの一つで、かすみ目や眼精疲労などの症状も上位にランクインしている。美団のデータによると、ドライアイの治療はプラットフォーム上で最も急増しているニーズで、今年に入ってから「ドライアイ治療」などのキーワード検索数は前年同期の約2.7倍に増加している。
アイケアと眼の健康は、安定した消費ニーズのある分野として眼科業界の重要な成長分野となっている。眼の健康に関する消費者のニーズには、サービス利用の高頻度化、製品の多様化、品質の専門化といった特徴がある。美団プラットフォームでは20~35歳の消費者が全体の71%を占め、児童、青少年の視力検査、近視予防に関するニーズも同様に旺盛となっている。一方で「眼鏡の複数本持ち」「眼鏡のアクセサリー化」も顕著となり、多様化、個性化した消費者ニーズが浮き彫りになっている。
眼の健康だけでなく、口腔ケアのニーズも高まっている。美団の調査によると、休日の口腔ケア需要は平日の約2倍に達し、多くの消費者が休みの間に「健康によって美しくなる」ことを求めている。美団プラットフォームでは今年、「休日スケーリング」関連の予約数が前年同期比50%増となり、「スケーリング1人用プラン」の検索数が約6.5倍に急増した。インプラントの人気も同様に高まり、美団での予約数は89%増となった。メタルセラミッククラウンの年間利用者数は60%以上増え、口腔ケアの中で最も急成長した分野となった。他にも、ホワイトニングやラミネートべニアも人気を集めている。
推拿(すいな)科に若者が詰めかける現象もたびたびトレンドになり、中医(中国医学)の診察、薬膳、膏方(こうほう、中医薬材料を煮詰めたもの)、推拿など中医理学療法が若者の人気を集めている。病気と診断されるほどではないが体調不良を感じたとき、より多くの若者が積極的に中医に頼るようになっている。「夜遅くまでゲームをすることが多く、時々胸が痛くなるので、何度も中医に診てもらっている」と話す余(よ)さん(21)は友人の勧めから中医病院で養生を行っており、「中医治療は比較的穏やかに効くように思う」と語った。中医養生は現在、各種治療に活用されるだけでなく、関連する概念も若者の日常生活に溶け込んでいる。交流サイト(SNS)上では、多くのユーザーが自らの中医養生法を投稿している。若者ユーザーが多数を占める中国のSNSアプリ「小紅書(RED)」で「中医養生知識」を入力、検索すると、関連投稿が30万件以上ヒットする。
休みの日のスケーリングからドライアイスパ、中医養生まで、次々と現れる健康へのニーズが、消費拡大の「新たなエンジン」となっている。
(新華社北京)
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