除雪、芝刈り、落ち葉拾いを1台で。100万円の庭用ロボットが大人気

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北米のほとんど、特にカナダや米五大湖などの地域では、11月から4月は雪の季節にあたる。広大な土地に家はまばらで、どこも大きな庭を備えている。広い所では1000㎡規模にもなる庭を自分で手入れしなくてはならず、夏季は芝刈りの需要も高い。

庭の手入れなど家庭向けサービスの仲介サイト「Home Guide」によると、北米の中産階級の家庭が毎年芝刈り、除雪、落ち葉掃除など庭の手入れにかける費用は1回あたり60~350ドル(約9600~5万6000円)で、年間4000~5000ドル(約64万~80万円)の支出となる。

庭の手入れロボットを開発する中国系のスタートアップ企業「漢陽科技(Yarbo)」はこの大きな市場に対してリサーチと製品のアップデートを繰り返し、オールシーズンで使用可能な庭用スマートロボット「Yarbo」をリリースした。冬の除雪、夏の芝刈り、秋の落ち葉掃除まですべてに対応できる。

漢陽科技がリリースした庭用スマートロボット

同社は2015年設立。本社は広東省深圳市にあり、ニューヨーク、香港、シンガポールにオフィスを開設し、広東省恵州市と浙江省嘉興市嘉善県に工場を有している。今年新たにリリースしたスマートロボットは予約販売の段階で好調で、オンラインで販売を始めて1カ月で1億元(約20億円)近い受注額を達成した。

芝刈り、除雪、落ち葉掃除それぞれのモジュールをつけて稼働する様子

Yarboのスマートロボットには以下の特徴がある。

まず、個人向け製品ではあるが専門分野向けの特殊ロボット並みの性能を備えており、マイナス25度から45度まで稼働できる。極端な環境下ではすべてのコンポーネントやバッテリーに高い性能が求められる。この点、同社のロボット本体は工業用レベルの耐結露性を備えているほか、自己発熱システムを内蔵したバッテリーを使用し、低温下でもバッテリーセルの温度が氷点下になるのを防いでいる。

次に、センチメートル単位で測位が可能なことだ。ロボットには3カ所にカメラが搭載されており、衛星測位システムの2本のアンテナがロボットの「目」の役割を果たす。高精度測位システムのRTKを採用し、従来のGPS測位システムでは10メートルほどあった誤差を数センチにまで縮小することが可能だ。

除雪モジュールをつけて稼働する様子

さらに、無線充電スタンドが付属し、充電も全自動で完了する。同社は現時点では世界で唯一の、高温・低温の屋外環境でも作動する無線充電プレートを採用しており、これに関連した発明特許も出願したという。二次元測位システムにより、ロボット自ら充電スタンドまで戻ることができるため、ユーザーが雪の日にわざわざ外に出て充電ケーブルを挿す必要もない。

ロボットが自動で充電する様子

モジュール化され、さまざまなシーンで使用可能なことも特徴の一つだ。スマートロボットは共通のメインボディと複数の機能モジュールで構成されている。除雪、芝刈り、落ち葉掃除、さらに種まき、庭の巡回、宅配便の受け取り、ゴミの運搬など20数種類の役割を果たせる。1台でマルチに活躍するため、庭用工具を購入してはたまっていくという問題も解決できる。

目下、スマートロボット本体(パワーユニット)の販売価格は3499ドル(約56万円)で、芝刈り、除雪、落ち葉掃除のモジュールが付帯した価格は6299ドル(約100万円)となっている。

1ドル=159円で計算しています

(翻訳・井上秋奈)

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