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タイ東部ラヨーン県で17日、中国自動車大手の広州汽車集団(広汽集団)傘下でハイエンド電気自動車(EV)を手掛ける広汽埃安新能源汽車(AION)が建設したスマート工場が正式に稼働し、同社初の世界戦略車もラインオフを迎えた。中国自動車メーカーが7月にタイで海外工場を稼働させたのは、EV大手の比亜迪(BYD)に続き2カ所目となる。
AIONタイ工場の投資総額は23億バーツ(1バーツ=約4円)、設計ベースの生産能力は年間5万台。高度にスマート化された工場として、ビッグデータや人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)などの新技術を採用しており、複数の車種を同じラインで生産する混流生産を実現し、生産性が向上している。
タイのピムパッタラー工業大臣は稼働式で、同工場の稼働はタイの自動車業界の構造転換を促し、地域と世界のEV生産センターを目指すタイのビジョン実現を後押しするとの見方を示した。
タイは東南アジア地域の重要な自動車生産国で、同国政府は2030年までに自動車生産台数に占める電気自動車(EV)の割合を30%に引き上げる計画を打ち出している。
AIONは23年6月にタイ進出戦略を立ち上げた。広汽集団の曽慶洪(そう・けいこう)董事長によると、タイ工場の稼働に伴い、AIONはこれまでの「製品の海外進出」から「高度技術体系の海外進出」という新段階に入った。同社がタイで事業展開を進めることにより、同国が東南アジアのEV産業の中心地となるための強固な基盤が築かれた。今後は同国における充電施設の整備とエネルギー生態系の形成を進め、人材育成に関する協力を加速し、産業チェーンの川上・川下の協同発展を推進していく。
広汽集団はここ数年、海外市場の開拓に力を入れ、グローバル化の歩みを加速させている。すでに68カ国・地域の消費者に自動車販売とアフターサービスを提供しているほか、タイ工場を含む海外工場は3カ所となり、完成車の輸出と現地生産の並行を段階的に実現している。(新華社ラヨーン)
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