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中国香港特別行政区の経済が安定を取り戻して上向き、ビジネス環境の改善が続き、中央政府の香港優遇策の効果が現れるにつれ、世界中の投資家が香港のチャンスを見据え、相次いで投資を増やしている。
香港特区政府投資推進局(インベスト香港)がこのほど公表した企業誘致の半期報告書によると、同局が1~6月に香港での事業所開設や事業展開を支援した内地・海外企業は前年同期比43%増の322社となった。うち内地企業は150社、その他は米国、英国、シンガポール、フランスの企業が中心だった。劉凱旋局長は、香港は多くの面でアジアで最も投資家に好まれる国際的な金融とビジネスの中枢だと強調した。
スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が発表した各国・地域の競争力を評価する2024年版の「世界競争力年鑑」で、香港は前年から二つ順位を上げ、5位に浮上した。項目別に見ると、香港は「政府の効率性」でトップ3に入ったほか、「ビジネスの効率性」「インフラ」で大きく順位を伸ばし、トップ10にランクインした。業界関係者は香港の順位上昇について、国際金融センターとして確固たる地位を築き、世界中の投資家に人気が高いことが反映されているとの認識を示した。
中国のシンクタンク、中国(深圳)総合開発研究院と英シンクタンクZ/Yenグループが共同で発表した世界121都市の国際金融センターとしての競争力を評価する「第35回国際金融センター指数(GFCI 35)」で、香港は4位となった。世界知的所有権機関(WIPO)が発表したグローバルイノベーションインデックス(GII)の「科学技術クラスター」ランキングでは、「深圳ー香港ー広州」が4年連続で2位となった。劉氏は、将来的にさらに多くの海外の金融または科学技術イノベーション企業が香港に地域本部を設立すると予想している。
香港特区政府が23年3月に「香港のファミリーオフィス事業発展に関する政策宣言」を発表して以降、香港に目を向ける超富裕層が増えている。インベスト香港の統計では、1~6月に支援した322社のうち52社をファミリーオフィスが占めた。大手会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツが今年発表した市場調査リポートによると、香港には一族が独自に運営するシングルファミリーオフィスが約2700社あり、その半数以上が資産5千万ドル(1ド=約156円)以上の超富裕層によって設立されている。
スイスの投資会社パートナーズ・グループは今年6月、香港中環(セントラル)に事務所を開設した。事務所トップの徐家傑氏は、内地市場に近い香港で事務所を設立したことにより、大中華圏での販売事業や投資機会にアクセスしやすくなると説明した。香港は世界2位のウェルスマネジメントセンターであり、人材の蓄積が十分で、グループがアジア事業拡大を進める上で役立つとの見方も示した。
(新華社香港)
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