セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は7月中に、150ユーロ(約2万6000円)未満の商品に関税を課さない現行制度を廃止する計画を提案するという。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が関係者の話として伝えた。この動きは、急拡大する中国の越境電子商取引(EC)プラットフォームに大きな影響を与える可能性がある。
ファストファッションのSHEIN、アリババグループのAliExpress、格安ECのTemuといった中国の越境ECプラットフォームが現在、世界を席巻している。EUのデータによると、2023年にEUに輸入された免税対象となる150ユーロ未満の商品は23億点に達し、輸入額は前年比2倍以上に増加した。うち、越境ECを通じて中国から輸入された商品が86%を占めた。
安価な輸入品の急増により、EUは関税政策の再考を迫られている。また、欧州地域の税関などにも大きな負担を与えている。さらに、欧州委員会の推計によると、23年に輸入された商品23億点のうち65%について、欧州の関税や売上税を逃れるために虚偽の申告がされていた。
新たな規定は、EU域外から域内の顧客に直接商品を発送する全てのEC事業者に適用されるという。また、商品の価格にかかわらず、大手ECプラットフォームに対してオンラインで付加価値税(VAT)を支払うための登録を義務づけることも検討されており、越境ECの運営コストがさらに増大する可能性がある。
*1ユーロ=約171円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録