セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
シンガポールの調査会社Momentum Worksによると、東南アジアの電子商取引(EC)の流通取引総額(GMV)は2023年に1146億ドル(約17兆円)に達した。
シンガポールの「Shopee(ショッピー)」は48%のシェアを維持して首位の座を守った。「Lazada(ラザダ)」は16.4%で2位、動画共有アプリTikTok(ティックトック)のECサービス「TikTok Shop」とインドネシアの「Tokopedia(トコペディア)」がそれぞれ14.2%を占めて3位だった。
TikTokは23年にTokopediaの株式の過半数を取得している。両社のシェアを合わせると28.4%となるため、TikTok Shopは実質的にLazadaを抜いて東南アジア2位のECプラットフォームとなった。
ShopeeとLazadaはいずれも早い時期に設立された従来型ECで、すでに高い参入障壁を築き上げているため、従来型ECが新規参入してもシェアを伸ばす余地はない。しかし、TikTokはショート動画をベースとしたライブコマースと興味EC(インタレストコマース)を展開し、東南アジアのEC市場に風穴を開けた。
東南アジアは若年人口の割合が高く、約7億人の半分以上を30歳以下が占める。若者はショート動画の視聴を好み、目新しいものの受容度も高い。これがTikTok Shopのコンセプトと一致し、23年のGMVは前年のほぼ4倍に拡大。東南アジア地域で最も急成長を遂げたECプラットフォームとなった。
東南アジアのEC市場は今後も拡大する可能性があるため、大手企業が先を争うように事業を展開しており、市場競争がますます激しくなっている。急激に台頭したTikTok Shopは、東南アジアのEC市場の勢力図を塗り替えるかもしれない。
*1ドル=約148円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録