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アリババグループ傘下でクラウドサービス手がける「アリババクラウド」はこのほど、独自の大規模言語モデル(LLM)「通義千問(Tongyi Qianwen)」を活用し、資生堂のスキンケアブランド「DRUNK ELEPHANT(ドランクエレファント、酔象)」の中国向け顧客対応強化アプリ「DRUNKGPT」を導入したと発表した。
DRUNKGPTは、アリババクラウドの数千億のパラメータを持つ基盤モデル「Qwen-max」を活用し、DRUNK ELEPHANT専用のカスタマーチャットボットとして開発された。新たな顧客エンゲージメントプラットフォームとして設計され、顧客にブランドの哲学を伝え、スキンケアに関する問い合わせに対応することを目的としている。
また、応答の精度などを向上させるため、DRUNKGPTはブランドの知識データベースをもとにトレーニングされ、SFT(Supervised Fine-Tuning、教師ありファインチューニング)、RAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)、ベクターリコール、マルチエージェントフレームワークなど、アリババクラウドのさまざまなAIサービスで最適化されているという。
ユーザーはDRUNKGPTにアクセスし、テキストまたは音声入力で対話ができる。アリババクラウドの自動音声認識(ASR)と音声合成(TTS)技術が音声対話機能をサポートし、チャットボットはテキストと音声で応答を提供するという。
資生堂は中国市場に最も早く参入した外資系化粧品会社のひとつで、さまざまな商品を中国で展開してきた。しかし、2023年の原発処理水放出による不安拡大などが影響し、中国では日本製品の買い控えが起き、大きなダメージを受けた。今年4月に中国市場へ本格進出したばかりのDRUNK ELEPHANTが、資生堂の中国事業に新たな風をもたらすことが期待される。
DRUNK ELEPHANTは米国発のスキンケアブランドで、2019年に資生堂が買収した。ミレニアル世代やZ世代を中心に幅広く支持を集めている。
(36Kr Japan編集部)
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