中国EV小鵬、陸空両用の空飛ぶクルマ「陸地航母」を発表 価格は4000万円切り

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空想でしかなかった空飛ぶクルマが現実になろうとしている。中国の新興EVメーカー小鵬汽車(Xpeng Motors)傘下で電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発する「小鵬滙天(Xpeng Aeroht)」が、地上走行も可能な分割式eVTOL「陸地航母」を発表した。創業者の趙徳力総裁によると、定価は200万元(約4000万円)以内になるという。

計画では、今年11月に開催される広州モーターショーで正式に予約受付を開始、最速で2025年10-12月に量産、納品が予定されている。個人ユーザー向けのeVTOLと車両がひとつになった世界初の量産タイプの製品となる。

小鵬滙天は低空経済向けに取り組むメーカーの先駆けとして、安全でスマートなeVTOLなどの開発に心血を注いできた。これまでにeVTOLを5種類開発し、のべ2万回の飛行試験に成功している。

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今回の陸地航母は、飛行ユニットと地上走行ユニットで構成され、ユニットの分離や連結はオートマチックで2、3分しかかからない。この独創的な設計により、陸上を走るだけでなく、自由に空を飛ぶ楽しみを味わうこともできる。

これまでのeVTOLと比べて最も大きな特徴は、陸地航母が個人向けであるという点だ。運転免許のC種(小型自動車運転免許)を保有していれば運転できるし、飛行ユニットには小鵬滙天が開発した片手で扱えるシングルスティック操縦システムが搭載され、誰もが短時間で操縦できるようになる。

飛行ユニットは純電動、2人乗りで、コックピットは視野270度、垂直離着陸が可能だ。800Vの高電圧炭化ケイ素プラットフォームを採用し、システムをより高効率でコンパクトにした。地上走行時には、アームやローターなどを折りたたんで完全に格納することで、飛行ユニットの収納・保管問題を解決した。

地上走行ユニットは5人乗り、世界初の800V高電圧・炭化ケイ素レンジエクステンダーを搭載し、航続距離(CLTC基準)は1000キロに伸びた。6輪駆動で、後輪操舵システムやエアサスペンションなどの機能も備え、最小回転半径は13メートル未満。飛行ユニットを積んだまま走行中に充電することができ、eVTOLの充電ステーションとして機能する。

想定する利用シーンは、消費者向けと法人向けで異なっている。

個人ユーザー向けには、eVTOLを体験できるネットワークを全国に構築する。趙総裁は、全国の主要都市から車で30分程度で行ける場所に、代表的な観光ルートに沿って離発着場を設けるという構想を明らかにした。小鵬滙天はすでに約70カ所の離発着場と契約しており、2024年末までに200カ所以上になると見込んでいる。

公共サービスとしては、救急医療、地上障害物を回避する近距離の救援、高速道路事故の救援、高層ビルから脱出する救命艇のような役割などを想定している。

100%の安全と安心を担保するため、200台以上使ってテストを実施したことが発表された。機体、システム、コンポーネントに関するさまざまな試験を重ね、ローターが故障した場合でも安全に飛行できるようになっている。

陸地航母の飛行ユニットは今年3月、すでに中国民航局中南地区管理局から型式証明(TC)の申請が受理され、すでに耐空性の審査に入っている。続いて、地上走行ユニットについても自動車の国家強制標準(GB)に沿って認可を申請する。

小鵬匯天はまた広州開発区と投資に関わる協定を締結しており、広州開発区にeVTOLの研究開発や製造、販売センターを建設する。

*1元=約20円で計算しています。

作者:億欧網(WeChat公式ID:i-yiou)、黄嵐清

(編集・翻訳 36Kr Japan編集部)

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