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今年で7回目を迎える中国国際輸入博覧会が11月5日に開幕した。日本企業も2018年の第1回から積極的に出展しており、数々の展示で注目を集めてきた。このほど取材に応じた日本貿易振興機構(ジェトロ)上海事務所は、対外開放が進む中で中国の巨大な消費市場は安全で良質な商品を扱う海外企業に大きなビジネスチャンスを提供しているとの認識を示した。
同事務所EC市場開拓部の徐暁蕾 シニアマネジャーは「日本企業の唯一の取りまとめ機関として第1回から出展するジェトロは、中国の消費者に輸入博を通じて日本の商品やサービスの魅力を感じてもらえるよう、中国市場の需要や流行に合わせて毎年テーマを工夫している」と紹介。今年は「ペットと暮らす Nature Pet&Me」をテーマに、フードや用品、医療、サービスなど日本の54企業・団体のペット関連商品850品目を展示するという。
中国ペット業界白書(2023~24)によると、中国都市部のペット市場は23年に2793億元(1元=約21円)となり、26年には3613億元まで拡大すると見込まれる。関連産業の急速な発展と消費理念の高度化により「ペット経済」が大きな潜在力を秘めていることは各種データからも見て取れ、ジェトロが今年の輸入博でペット市場という新たなトレンドに目を向けたことは、中国のペット市場に日本ならではの商品やサービスをもたらし、ペットを家族の一員とする新たな生活概念を中国の消費者に伝えることになる。
日本企業はこれまでの輸入博でも回転歯ブラシや獺祭(だっさい)フェイシャルマスクなどの注目製品を披露してきた。徐氏によると、今年のジェトロブースの最大の見どころは観賞用錦鯉で、犬猫向けの健康管理サービス「Buddy Cloud」も初出展する。ペットの尿や唾液、血液の検査結果をスマートフォンの専用アプリで管理できるサービスで、体調不良の早期発見につながる。
中国の海外旅行市場で日本が最も人気の渡航先になっていることについては「ジェトロも中国オンライン旅行大手の携程集団(トリップドットコム)と提携して日本各地、特に地方都市の優れた商品を訪日中国人観光客に紹介し、消費促進を図っていく」と表明。今回の輸入博では2025年大阪・関西万博のPRイベントを開き、公式キャラクター「ミャクミャク」も登場するとし「万博には2800万人以上の来場が予想されている。中国の人々もぜひ足を運んでほしい」と期待を示した。
ジェトロは日本の中小企業の海外進出を各社のニーズに応じて支援してきた。徐氏は「これまで支援した企業には、現地の有力代理店と契約して中国市場に安定的に商品を供給している企業もあれば、越境電子商取引(EC)で消費者の反応や商品の市場性を探っている企業もある。各分野で成功企業が多く誕生していることは、中国の良いビジネス環境、良い政策と大きな関わりがある」と語った。(新華社上海・記者/彭純、許暁青、常博深)
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