日清・安藤広基社長、「変わらぬおいしさをテクノロジーで追求していく」

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日清・安藤広基社長、「変わらぬおいしさをテクノロジーで追求していく」

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2019年10月28日から2日間、帝国ホテル東京にて第21回日経フォーラム「世界経営者会議」が開催された。

同フォーラムでは、日清食品ホールディングスの安藤広基社長兼CEOが「サステナビリティー時代のカップヌードル進化論」をテーマに基調講演を行った。プラスチック使用量と焼却時の二酸化炭素(CO2)排出量を削減するめために、同社はカーボンニュートラルな特性を持つ植物由来の「バイオマスECOカップ」を使用し、順次、器の素材を置き換えていく旨を述べた。また、牛肉や豚肉の生産もCO2を多く排出することから、カップヌードルに使われている肉として植物由来の代替肉や培養肉の研究に取り組む意思を表明している。

講演のあと、安藤社長は日本経済新聞と36Krの独自取材に対し、我々が直面している気候変動と食料資源の持続可能性に関して、日清食品のの取り組みについて改めて語った。

「大型台風19号に備えて、日清のサプライチェーンを強化した結果、ちゃんと災害時の供給ができたが、地球の環境異変を改めて痛感した」と述べた安藤社長。

「当社はいままでカロリーや減塩といった健康面を非常に意識し、そこに注力してきたが、これからはCO2や地球温暖化問題の深刻化も意識し始めなければならない。今後はカロリーではなく、CO2の排出量も記載される時代が来るだろう。もちろんそれは食品業界だけでなく、自動車業界も同じだ。それが時代の流れだ」

安藤社長は、気候変動の危機を訴える16歳のスウェーデン人の環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリさんの話に言及し、日本人の若者の意識が遅れている点も指摘した。

「普段の生活で、皆さんは、あまり感じていないかもしれないが、数値で表せばひどいことがわかる。日本の廃プラスチック発生量は940万トン/年で、全廃棄物のうち約2%も占めている。特にカップヌードルのような食品の容器は汚れ物が多く、ほとんどリサイクルできない。CO2排出量やコストを総合的に考えると、ECOカップを採用するとともに、植物由来の廃プラを焼却してエネルギー利用するごみ発電による電力も取り入れる」と同社の最新の取り組みを説明した。

今後、環境問題に起因する消費者の意識の変化も必ず起こると見込まれ、食品業界のパイオニアである日清は、消費者のニーズを細分化し、市場の変化に合わせて対応していく準備をしている。安藤社長は「実用化するまでには少なくとも5年以上はかかりそうだが、当社では培養肉の開発が進んでおり、今後も研究を進めていく。最終的にはビーガン対応の食品に変わっていく」との見通しを示した。

「イノベーションを起こさない限り、何も変わらない。しかし、商品が美味しくなければ本末転倒になってしまう。そうした食品についても変わらぬおいしさをテクノロジーで追求していく」

最後に、36Krは日清の中国でのマーケティング戦略に関しても訪ねた。日本の少子化・高齢化に伴い、食品の国内市場が縮小している中、同社の中期経営計画では、海外重点地域(ブラジル、ロシア、インド、中国)の販売強化が目標の一つとなっている。

「中国市場の伸びは好調だ。同市場では日清のカップ麺は決して安くないが、中国人、特に若者の消費力が強くなってきており、品質も美味しさも追求する彼らは、日清の商品を好む。これからも伸びていく自信がある」と安藤社長は明朗な口調で話した。(作者:Ai)

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