ファーウェイ折りたたみスマホ発表も、未来の巨大市場の春は遠く

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ファーウェイ折りたたみスマホ発表も、未来の巨大市場の春は遠く

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10月23日、中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は、同社初の折りたたみ式スマートフォン「Mate X」を発表した。次世代通信規格「5G」に対応し、中国国内の販売価格は1万6999元(約26万円)。世界3番目の折りたたみスマホとなる。

サムスンの二の舞は避けたいファーウェイ

「Mate X」は今年2月、スペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル関連展示会「MWC」で大きな注目を集めたが、その後は目立った動きもなく、8カ月経ってようやく正式発表を迎えた。初期出荷台数を限定とし、市場の反応を探る見込みだ。ファーウェイが慎重なスタンスを見せていた理由の一つは、今年2月に折りたたみスマホ「Galaxy Fold(ギャラクシーフォールド)」を発表したサムスン電子の二の舞は避けたいという考えにあるだろう。「Galaxy Fold」は、当初は4月26日の発売を予定していたが、デバイスの破損トラブルを受けて発売が9月に延期された。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」(写真:ファーウェイ)

この不具合はサムスンのブランドイメージを傷つけただけでなく、折りたたみスマホの品質や実用性に対する世間の不信感を招いた。一方、ようやく正式発表にこぎつけた「Mate X」にも問題はある。ディスプレイを開くと、中央部分に若干の盛り上がりを感じるのだ。しかし現段階では、これは折りたたみスマホが直面する技術の限界と言えるだろう。

折りたたみスマホの技術的問題点

問題の根源にあるのは、折りたたみスマホの技術的難度の高さである。現在の折りたたみスマホには、内折り(ディスプレイが内側を向く)と外折り(ディスプレイが外側を向く)の2種類がある。サムスンは内折り、ファーウェイは外折りを採用しているが、どちらも次の2つの課題に直面している。1つ目はディスプレイ、ヒンジ、回転軸の耐久性の向上、2つ目は折りたたみスマホに適したアプリ、サービスのエコシステムの構築である。

ディスプレイに関しては、10万回以上の折り畳みに耐える必要がある。しかし、試験を通過するディスプレイは20%に満たず、サムスンも思うように量産を行えないのが現状だ。米メディアのCNETが実施したテストでは、サムスンのディスプレイは12万回の折り畳み後、完全に破損していたという。

ヒンジの耐久性も難題の一つで、ファーウェイの上級取締役である余承東氏は、「Mate X」の開発において、ヒンジの設計に3年を費やしたと語る。サムスンもディスプレイの不具合が発生してから、ヒンジ部分に大幅な改良を加えたという。

こうした技術的な問題だけでなく、アプリ、サービスなどの最適化も重要だ。エコシステムの構築に失敗すれば、たとえ技術的には理想的な製品であっても、ユーザーエクスペリエンスを向上させることはできない。

「Mate X」のディスプレイを開くと、読書やマップ、ゲームに最適であることが分かる。中国で大人気のスマホゲーム「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)」も臨場感あふれる大画面でプレイできるが、「Mate X」に対応しているアプリが少ないためユーザーの個々のニーズをカバーするにはまだ時間が必要だ。

折りたたみスマホの普及を実現するには

米調査会社ガートナーのアナリストによれば、折りたたみスマホには「端末の差別化」と「スマホとタブレットの一体化」という2つの真の価値があるという。量産化は短期間で実現するものではないが、タブレット・PC市場を侵食するスマホに成長することも十分可能だ。

中国の「国海証券(Sealand Securities)」は「条件が揃えば折りたたみスマホは市場の主流になる」とし、2020年か2021年までにリーズナブルな価格を実現する「Galaxy Fold」がサムスンに大きなメリットをもたらすだろうと見ている。また、英調査会社IHSマークイットは、2025年までに折りたたみ式ディスプレイの出荷量は5000万枚となり、CAGR(年平均成長率)は80%に達すると予想している。

折りたたみスマホは、そのデザイン性もユーザーエクスペリエンスも大きな将来性が期待できる商品だ。しかし、5Gスマホのように普及するのは簡単ではない。ちなみに、来年5Gスマホの販売台数は1億台以上と予測されている。サムスンの「Galaxy Fold」もファーウェイの「Mate X」も、現時点では問題が山積している。折りたたみスマホ市場に春が訪れるまで、2社にはまだまだ長い道のりが待ち受けている。

画像:ファーウェイより
(翻訳・桃紅柳緑)

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