BYDがけん引、中国・鄭州が次世代「自動車都市」へ

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中国中部地域、河南省鄭州市にある電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)の工場は、同省政府と2021年9月に契約を交わしてから4年足らずで同社最大の自動車拠点に成長した。同工場の24年の新エネルギー車(NEV)生産台数は前年比2.7倍の54万5000台に上った。

鄭州航空港区先進製造業集積区指揮部の張宏亮副指揮長は「港区にBYD工場の所在エリアを中心とした『自動車都市』の建設を計画している」と紹介。新エネ車の総合サービスセンター、コア部品のスマート製造センター、国内の重要な新エネ車輸出集配センターを整備し、将来的に数十万人の労働者を集め、年間百万台の新エネ車を生産し、1000億元(1元=約21円)規模の産業クラスターを構築するとした。

BYDは中国EV大手が鄭州での展開を強化する一例である。鄭州市工業・情報化局のデータによると、同市では24年、新エネ車生産台数が98.0%増え、自動車生産台数は110万台を上回り、全国のトップグループに入った。

24年の新エネ車生産台数都市別ランキングで、広東省深圳市は約293万台で首位に返り咲き、合肥市(安徽省)、上海市、西安市(陝西省)が続いた。深圳が首位を奪還できたのは、BYDによるところが大きい。深圳と汕頭市が共同運営する「深汕特別合作区」に建設された、BYDの年産50万台のスーパー工場はすでに稼働し、同規模のスーパー工場がもう一つ、25年半ばに稼働予定という。

BYDや上海蔚来汽車(NIO)などの中国自動車ブランドはここ数年、勢いを増し、国内外の消費者の人気を集めている。BYDの24年の生産台数は前年比41.3%増の430万4100台で過去最高を更新し、新エネ車販売台数が1000万台を超えた世界初の自動車メーカーとなった。

中国汽車工業協会のデータによると、中国の24年の自動車生産・販売台数はいずれも3100万台を超え、2年連続でそろって3000万台を上回った。うち新エネ車は生産・販売とも初めて1000万台を超え、そろって1200万台以上となり、飛躍的に発展した。

電動化、コネクテッド化、スマート化の流れは中国自動車産業の構図を大きく変換し、合肥や鄭州などの中部都市は新エネ車産業の積極的な展開により、次世代の「自動車都市」になりつつある。

乗用車だけではない。鄭州を本拠地とする鄭州宇通客車は中国最大のバスメーカーとなり、大型トラック、物流車両、行政向け車両など全シリーズの燃料電池車を開発した。同社が発表した24年業績予想によると、24年のバス販売台数は前年比28.5%増の4万6900台、うち輸出台数は37.7%増の1万4000台だった。

中国商業経済学会の宋向清副会長は、新エネ車の産業チェーンは長く、創出する雇用機会が多く、イノベーションを力強くけん引し、科学技術の研究開発や生産・製造体系などを含む河南省の産業基盤を着実に向上させていると指摘する。

河南省政府は22年、「新エネ車産業発展のさらる加速に関する指導意見」を発表し、鄭州を中心に自動車産業を発展させるとした。25年1月の省政府活動報告では、BYD、上海汽車集団、奇瑞汽車、宇通客車などの企業の規模拡大と品質の向上支えると発表。年間生産目標として、自動車200万台、新エネ車140万台を目指すとした。【新華社鄭州】

中国BYD、昔は外国車に学び、今は車体を分解して研究される側に。絶体絶命から新エネ車の世界王者へ、創業者が振り返る30年の経営史

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