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インドの中古車売買プラットフォーム「CARS24」が、このほどシリーズDで1億ドル(約110億円)を調達した。リード・インベスターはハイテク分野にフォーカスした英投資会社「Unbound」とカナダのベンチャーキャピタル「KCK Global」で、それぞれ2500万ドル(約28億円)を出資した。コ・インベスターはセコイアキャピタル・インドや「DST Global」など。
CARS24は昨年7月にも、セコイアキャピタル・インド、「Kingsway FCI Fund」およびKCK Globalから5000万ドル(約55億円)を調達し、評価額は2億5000万ドル(約280億円)となっていた。
同社は2015年に共同創業者のMehul Agrawal氏とVikram Chopra氏により設立された。競合他社との差別化ポイントは、自動車売却の際に代金の即時入金を受けられる点と、オーナーが売却した自動車を自社傘下のオークション・プラットフォームを通じて中古車販売会社に転売する点だ。
CARS24の事業はすでにインド国内の50都市をカバーしており、今年末には75都市まで拡大する見通し。同社はフランチャイズモデルを採用し、2021年までに事業範囲を300都市まで拡大し、地方都市市場の開拓を完了する計画だという。
インドメディアによると、同国では自動車のモデルチェンジの加速により中古車相場が値下がり傾向にある。このため消費者の中古車志向が高まっており、昨年のインド中古車市場での販売台数前年比40〜50%増となった。インドの中古車市場の規模はおよそ250〜300億ドル(約2兆7500億〜3兆3000億円)で、年間約500万件の取引が行われているとみられる。
CARS24のインド国内の競合他社としては、オンライン中古車売買プラットフォームの「OIx」「Car Trade」「Droom」「CarDekho」「Spinny」などが挙げられる。このうち、C2Cモデルを主軸とするDroomは昨年、シリーズDおよびシリーズEで資金調達を果たしており、来年にも新規株式公開(IPO)を実施する見込み。またCar TradeもシリーズCでセコイアキャピタル・インドから資金調達している。
インドではここ数年、スタートアップ企業が続々と誕生しており、中国企業のビジネスモデルに倣う「Copy China to India」を実行する企業も多い。中でも自動車市場は、労働コストの低さと消費者動向から投資家の注目を集めている。中国資本を含む多くのベンチャーキャピタルは、インドにおけるモバイルインターネットのポテンシャルを有望視し、競い合うようにインド市場へ進出しているが、巨額の資本投下により市場にバブルをもたらしている。中国のベンチャーキャピタルには冷静な検討が必要かもしれない。
(翻訳・田村広子)
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