【解説記事】シャオミが中国のインターネット産業にもたらした変化は その戦略とビジネスモデル

36Kr Japan | 中国No.1スタートアップメディア日本版

中国最大のタートアップメディア、36Krの日本版です。先端企業の技術開発、業務提携、ファイナンス状況など中国の「今」を現地から届けるとともに、日本人向けの解説などのオリジナル記事を発信します。36Kr日本版を見れば、中国が分かります。

大企業注目記事編集部お勧め記事

【解説記事】シャオミが中国のインターネット産業にもたらした変化は その戦略とビジネスモデル

メールアドレスを登録して中国最新情報入手

続きを読む

2019年7月、「シャオミ(小米)」は初めてフォーチュン・グローバル500のランキング入りを果たした。創業からわずか7年で、中国と中国のテクノロジー産業に大きな変化をもたらしたのである。

初代のシャオミスマートフォンは2011 年に発表された。品質面の問題が多発したが、激安価格の前ではそれも障害にならなかった。当時としてはフラッグシップ級のクアルコムMSM8260デュアルコア・プロセッサを搭載したこの機種は、わずか1999 元(約3万円)という低価格により、スマートフォンの激しい販売競争のなかで一気に頭角を現した。

シャオミがこれだけ低価格で販売できたのは、同社が作り上げたインターネットに照準を定めたビジネスモデルによる。オンライン限定の販売はオフラインチャネルのコスト削減に繋がり、ロイヤルティの高いファンを作り上げたことは宣伝費の削減に役立った。それを目の当たりにした中国のスマートフォンメーカーはすべてシャオミを模倣したため、2015年以降の競争は一層激しくなった。その結果、アップルと方針転換したファーウェイを除くと、海外メーカーも、キャリアを通しての販売に依存していたZTE、「酷派(coolpad)」、Lenovoも、ほぼ全滅状態となった。

また、シャオミの誕生により価格が大きく下がった結果、スマートフォンは爆発的に普及し、ユーザー数が瞬く間にPCユーザーを超えた。

モバイル・インターネットが普及する前のPC時代において、中国は、ほぼ米国を後追いしているだけだった。ともにSNSサービスである「QQ」と「微博(weibo、ウェイボー)」はそれぞれ ICQとTwitterを模倣したものだ。しかし、モバイル・インターネットの時代になると、中国のテクノロジー企業やスタートアップはようやく独自の道を歩むことができるようになり、中国ならではの企業やビジネスモデルが生まれた。「ティックトック(Tik Tok)」を運営する「Bytedance」、自転車シェアリングの「Mobike」などがその好例で、SNSアプリ「WeChat」が構築したエコシステムもその1つに挙げられるだろう。

モバイル・インターネットのうねりのなかで、シャオミはマイルストーン的な意味を持つ。巨頭ひしめく市場でも、優れた製品と革新的なビジネスモデルがあればライバルに勝てることを証明したからだ。シャオミ以前の中国のスタートアップは、しばしばVCから、大手が参入した場合どうするのかと言われたが、シャオミの成功はその不安に対する最高の答えになった。

そして、地盤をより固めようと、シャオミは「米家(MiHome)」事業に乗り出した。米家の目標は無印良品である。シャオミは、自社のファンに対し生活に必要な品物をすべて提供することを目指している。初期にはスマート家電だけだったが、今はタオル、歯ブラシまでも販売するようになり、スマートフォンを売っていたシャオミは、生活雑貨店に変わりつつある。シャオミは米家によって「消費のレベルアップ」を進めようとしているのだ。平均所得と中間層が増え続ける中国にあって、スタートアップはこれらの顧客のために従来の国内製品より質がよく、且つ海外の同格ブランドより安いものを提供すべきだというのが、「消費のレベルアップ」の意味するところだ。

シャオミと米家の商品を製造するために、シャオミは複数のメーカーに出資した。これはほかのスタートアップにとっても嬉しい戦略だ。なぜなら、シャオミと米家が新カテゴリーの商品を展開する際、通常自分で作るのではなく、スタートアップに出資する方式を選ぶことになるためだ。また、スタートアップからすれば、たとえシャオミから資金調達できなかったとしても、シャオミのライバルに話を持っていくことが可能である。

3年前、シャオミの共同創業者黎万強氏の話を伺う機会があり、彼はそこで2つの目標を教えてくれた。当時のシャオミのスマートフォンは高コストパフォーマンスだが利益率が低く、そのため黎氏は「紅米」ブランドをシャオミの下位ブランドとして展開し、シャオミをやや高級感のあるものにしたいと話していた。もう一つは、米家を中国の無印良品にすることである。現在2つ目の目標は実現したが、1つ目は道半ばだ。なんといっても、シャオミの根本はスマートフォンであり、最も重要なユーザーエントランスでもあるからだ。これから先の7年間は、これまでの7年間よりさらにチャレンジングなものになるだろう。

作者プロフィール

王漢洋(Wang Hanyang):AI技術の研究・開発を手がける「泛化智能(GI)」の創業者。北京に本社を置く同社は、主力商品としてドローン向けのオープンソースシステム「GAAS(Generalized Autonomy Aviation System)」を提供している。
【Twitter】https://twitter.com/HanyangWang

(翻訳:小六)

メールアドレスを登録して中国最新情報入手

関連キーワード

メールアドレスを登録して中国最新情報入手