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中国の自動車メーカー「上海汽車(SAIC Motor)」の副総裁でチーフエンジニアの祖似傑氏は先日、同社が量産化・販売を予定している世界初の5G対応自動車に関し、来年4月の発表を予定していることを明らかにした。
5G通信技術の発展は自動運転車の研究開発をさらに加速させている。5Gネットワークには高速大容量、通信の安定性および低遅延性といった強みがあり、これらはコネクテッドカーの実現において重要なインフラの一つとなっている。
祖氏によれば、上海汽車はファーウェイおよびチャイナ・モバイル(中国移動)と戦略的パートナー関係にあり、これまで2年以上にわたり5Gコネクテッドカーに関する協業を続けてきた。三社は一昨年、上海汽車が同済大学と共同で開設したコネクテッドカー評価拠点にアジア初の5G試験場を建設した。さらにその後間もなく世界最大のモバイル見本市「モバイルワールドコングレス(MWC)」にて三社間の提携枠組み協定を締結し、スマートモビリティサービスおよび次世代型コネクテッドカー技術「セルラーV2X」産業の発展を推進してきた。
さらに今年4月には、上海市政府の重点事業である「上海国際汽車城(Shanghai International Automobile City)」と共同で国内初の「5Gスマート交通モデル区」の建設を開始しており、来年の完成と一般公開を予定している。
これらに加え、上海汽車は5Gを導入した自動運転トラックでもすでにモデル運用段階に進んでいる。今年8月、同社の技術とソリューションによる5GとAIを導入した世界初の港湾エリア作業自動化システムが上海の洋山深水港に正式に導入された。計画によると、上海汽車は今年年末までに、洋山深水港につながる東海大橋でも5G技術を活用した自動運転トラックのモデル運用を開始するという。
祖氏は「当社は自動車開発において、ビッグデータ、AI、IoT、クラウドコンピューティングさらには指数関数的に成長する半導体の高度な導入を進めている」と述べている。
今年に入り、上海汽車のみならずBMWやダイムラーなど複数の大手自動車メーカーが5Gをめぐる自動車生産計画を加速させている。
「華晨宝馬(BMW Brilliance Automotive)」は今年4月、瀋陽の生産拠点に5Gネットワークを敷設し、応用モデル事業を開始しており、世界で初めて5G技術を自動車の研究開発・生産分野に活用した自動車メーカーとなった。またドイツのBMW生産工場においてもスタンドアロン型5Gネットワークの敷設を開始している。さらにその2カ月後には、メルセデスベンツがドイツのジンデルフィンゲンにある次世代工場「ファクトリー56」にて世界初とうたった自動車生産用の5Gネットワークを敷設している。
(翻訳・神部明果)
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