中国新興EV8月販売:零跑汽車がトップ独走の快進撃、NIOが4位に返り咲き

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中国新興EV8月販売:零跑汽車がトップ独走の快進撃、NIOが4位に返り咲き

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中国の主な新興電気自動車(EV)メーカーが、2025年8月の新車販売(納車)台数を発表した。トップ3は前月と変わらず零跑汽車(Leap Motor)、問界(AITO)、小鵬汽車(XPeng Motors)の順だったが、前月4位だった理想汽車(Li Auto)が販売台数を大きく減らして6位に後退する一方で、蔚来汽車(NIO)が4位に浮上した。小米汽車(Xiaomi Auto)は前月と同じ5位だった。

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1位:零跑汽車

零跑汽車(Leap Motor)の8月の販売台数は前年同月比88.3%増の5万7066台と過去最高を更新した。同社は10万元(約210万円)台を中心とする低価格戦略・多車種展開で新興勢トップを独走し、1〜6月期は初の黒字転換を果たした。

今後は、新たに30万元(約630万円)台の「Dシリーズ」やミニバンタイプのEVを打ち出す計画もあるという。9月9日から14日まで独ミュンヘンで開かれる「IAA Mobility 2025」では、新車種「Lafa5」の発表も予定している。中国国内だけでなく、欧州を中心にグローバル展開を加速する零跑の勢いは止まらない。

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2位:AITO

自動車中堅の賽力斯集団(SERES)がファーウェイと共同開発したEVブランド「問界(AITO)」の8月の販売台数は、前年同月比28.2%増の4万12台だった。人気のSUV「M8」は2万1537台で40万元(約840万円)以上のカテゴリーでトップ、「M9」は1万67台で50万元(約1100万円)以上のカテゴリーでトップの販売台数を記録した。

9月5日に予約販売を開始した「M7」の新モデルは、30万元前後と前評判ほど安くはない価格設定ながら、ファーウェイの運転支援システム「ADS4.0」が搭載されるなど、性能が格段に向上しており、今後の売れ行きに期待が高まる。

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3位:小鵬汽車

小鵬汽車(XPeng Motors)の8月の販売台数は前年同月比168.7%増の3万7709台だった。人気のスポーツセダン「P7」の新モデルも8月6日に予約販売を開始しており、この勢いをさらに伸ばす可能性がある。

小鵬は、2025年下半期に自社開発の自動運転向けAIチップ「図霊(TURING)」やVLA(Vision-Language-Action)モデルなどを搭載した新車種を発売すると発表している。AI主導型の自動車メーカーを目指す同社の今後の動向にも注目が集まる。

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4位:NIO

蔚来汽車(NIO)の8月の販売台数は前年同月比55.2%増の3万1305台だった。価格を抑えたセカンドブランド「「楽道(ONVO)」の販売台数が前月比175%増の1万6434台と爆発的に伸びた。うち新型SUV「ONVO L90」は初月販売台数が1万575台となり、4位浮上の「最大の功労者」となった。

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5位:小米汽車

スマートフォン大手の小米集団(シャオミ)が手がける「小米汽車(Xiaomi Auto)」は、8月の販売台数も3万台を上回った。セダンタイプの「SU7」に続いて発売したSUV「YU7」も販売予約が殺到したが、7月末時点で計40万台の受注残を抱えており、生産能力の拡大が喫緊の課題となっている。

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6位:理想汽車

理想汽車(Li Auto)の8月の販売台数は前年同月比40.7%減の2万8529台だった。7月に発売した同社初の純電動SUV「i8」が思いのほか振るわなかった。9月には、純電動SUVの第2弾「i6」を発売する予定だが、同社の衰退が止まるかは不透明だ。

中国では9〜10月に自動車販売が集中するため、業界では「金九銀十(金の9月、銀の10月)」と呼ばれる。9月は各社とも年間販売目標の達成に向けてラストスパートをかけ始める。新興勢のトップ争いにさらなる番狂わせはあるのか、注目していきたい。

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*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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