LiDARの価格破壊者・中国「Hesai」、香港に重複上場 黒字転換で次の成長局面

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中国の車載LiDAR大手・禾賽科技(Hesai Technology)が9月16日、香港証券取引所に上場した。LiDARメーカーとして初めて米国市場と香港市場に重複上場を果たした。

発行価格は212.8香港ドル(約4000円)、初日の終値は231香港ドル(約4400円)で、時価総額は360億香港ドル(約6800億円)を上回った。

禾賽科技の共同創業者でチーフサイエンティストの孫恺博士はあいさつの中で、「当社は、かつて研究機関専用で10万ドル(約1500万円)と高価だったLiDARを、ワンチップ化や生産システム自動化により、この10年で200ドル(約3万円)にまで下げた。100万台もの自動車に搭載して、先進的で安全性の高いスマート技術を広く届けることができている。人工知能(AI)を中核とする第4次産業革命はすでに始まっているが、我々はこれからの10年も新たなコア技術と製品を提供していく」との決意を述べた。

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世界初、年間黒字達成のLiDAR企業

禾賽科技は孫恺博士や李一帆氏、向少卿氏らが2014年に上海で設立し、LiDARの研究開発と製造に取り組んできた。同社のLiDARは先進運転支援システム(ADAS)を搭載する乗用車や商用車だけでなく、自動運転車や配送ロボット、移動型ロボットなどにも採用されている。

禾賽科技のLiDARは、完成車メーカー24社120車種以上のADASに採用され、2025年から27年にかけて順次出荷されるという。また自動運転車を使ったロボタクシー事業でも、世界のトップ10社のうち9社が同社のLiDARを採用している。

爆発的な拡大が続くロボット市場も、LiDARの拡大をけん引する新たな成長エンジンだ。

禾賽科技によると、同社のLiDAR「JT16」を搭載したスマート家電スタートアップMOVAの芝刈りロボット「MOVA 600/1000」は、半年足らずで10万台以上出荷された。また、スマート家電大手の追覓科技(Dreame Technology)傘下の可庭科技(Kutting Technology)にも、芝刈りロボット用としてLiDAR「JT」シリーズを30万個供給するという。

2025年8月には、消費者向けコンパニオンロボット「Vbot」を開発した維他動力(VITA)や、人型ロボットを開発する清華大学系の星動紀元(ROBOTERA)と、緊密に提携することで合意したと発表した。

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禾賽科技はLiDAR専用チップの研究開発にも2017年から取り組んでおり、シリーズ製品すべてが量産体制に入っている。また、創業当初からLiDAR製品をすべて自社工場で生産しており、年間生産能力は200万台を超えるという。

目論見書によると、2022年から24年までの売上高および粗利率はそれぞれ、12億元(約250億円)で39.2%、18億7700万元(約400億円)で35.2%、20億7700万元(約440億円)で42.6%だった。

また営業損失は、2022年が3億7800万元(約80億円)、23年が5億7200万元(約120億円)、24年が2億500万元(約40億円)であった。調整後純損益は22年と23年がそれぞれ1億9600万元(約40億円)、2億4100万元(約50億円)の赤字だったが、24年には1369万元(約2億9000万円)の黒字に転換した。

2025年上期は、売上高が12億3200万元(約260億円)、営業損失が1060万元(約2億2000万円)、純利益は2654万元(約5億6000万円)となった。25年4-6月期の売上高は前年同期比53.9%増の7億600万元(約148億円)、純利益は4410万元(約9億3000万円)で前年の赤字から黒字に転換している。

*1香港ドル=約19円、1ドル=約150円、1元=約21円で計算しています

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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