GGVキャピタル、中国の企業向けサービスに「30倍の成長余地」と指摘

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GGVキャピタル、中国の企業向けサービスに「30倍の成長余地」と指摘

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「中国の企業向けサービスはごく初期の段階にあり、SaaSスタートアップの多くは、優れたSaaSとは何かさえ分かっていない」。

先日開催された「GGV Evolving Enterprise(GGV 産業向けインターネット・イノベーション大会)」を終えて、「GGVキャピタル(紀源資本)」のプリンシパル・吳陳堯(Joshua Wu)氏はこう語った。

産業向けインターネットは今年、さまざまな起業家や投資家から大いに注目されてきた。しかし呉氏は、GGVによる同分野への投資経験をメディアに向けて語った際、「起業家たちに会ううちに、SaaSを手がける中国企業の創業者は投資業界で慣用になっている重要な指標のいくつかにあまり注意を払っていないことに気づいた。つまり、多くの創業者は良いSaaS企業とは何かを知らず、説明することもできないため、努力する方向がないのだ」と語る。

例えば、投資業界では、「(当四半期-前四半期)×4÷マーケティング・販売費」で算出するマジックナンバーで販売効率を評価するのが慣例だ。マジックナンバーが1以上なら、投資したくなる魅力的な優良SaaS企業であり、そうでなければ投資家は動かない。

中国において、この指標は起業家にあまり知られておらず、運用も熟練されていない。「創業者が『我が社のマジックナンバーは0.8だが、もっと伸ばせるはずだ』と言ってくることは滅多になく、ほとんどの人はこれらの指標を気にすることもない」と吳氏は語る。これらの指標はクライアントの製品に対する満足度を体現しており、顧客満足度はSaaS企業の良し悪しを判断するキーポイントだ。創業者がこの指標を使用できないということは、SaaS企業の顧客満足度に対する理解不足と管理能力欠如を意味する。

今年、企業向けサービスは投資業界で注目のトピックとなった。GGVは、今月中旬に開催された産業向けインターネットの事業主向けイベントに出席した800人余りのうち、四分の一はベンチャーキャピタルかプライベート・エクイティ・ファンドの投資担当者だったと明かす。GGVマネージングパートナーの符績勲(Jixun Foo)氏は、ここ2年間、GGVは産業向けインターネットへの投資を強化してきたと述べる。

中国の企業向けサービス市場には30倍の成長余地か

符氏によると、SaaSには中国で発展の見込みがあるとGGVは見ている。中国のSaaS市場は現在はわずか23億ドル(2500億円)規模だが、米国は300億ドル(約3兆円)だ。中国には企業が米国の3倍近い8000万社あり、各企業のSaaS上の支出について言えば、米国は年間で中国の30倍を払っている。つまり、中国企業がいずれ現在の米国水準に到達すると仮定すると、市場には30倍の成長余地があるということだ。

今がチャンスと言える理由は、人件費の上昇と労働力構造の変化にある。過去10年、中国の労働者の賃金は毎年約10%ずつ増加してきた。そのため、事業主が生産効率を高めるソフトウェアを使うニーズが大幅に上昇している。さらに、消費者(個人)向けインターネットの浸透に伴い、20代の若手労働者はインターネット、モバイルインターネット、ソフトウェア消費に関する認知レベルが比較的高い。

GGVは現在総額62億ドル(約6800億円)を管理する。企業サービス分野では、新鮮野菜EC「美菜網(Meicai)」を運営する「雲杉世界信息技術(Spruce Information Technology)」、3Dインテリアデザインのプラットフォーム「酷家楽(Kujiale)」を運営する「群核信息科技(Qunhe Information Technology)」、石油取引のB2Bプラットフォーム「找油網(51Zhaoyou.com)」を運営する「找油信息科技(Zhaoyou Information Technology)」、「BOSS直聘(Boss Zhipin)」を運営する「華品博叡網絡技術(China Product Bo Farce Network Technology)」、ビジネスコラボレーションハブの「Slack」などへ投資してきた。

CGVが注目する業種・企業。

GGVシニアアソシエイトの麦採堯(Caiyao Mai)氏は、GGVが特に注目しているSaaS企業には2タイプあると述べる。1つ目はカスタマー向けからビジネス向けに移行して展開するタイプ。まず企業内の個人に使い勝手の良さを認識してもらい、ソフトウェアの販売を後押ししてもらうタイプである。例えば、BOSS直聘では、人事部の個人にまず有償で使ってもらい、企業調達をボトムアップで促進した。

このようなケースでGGVが重視するのは、製品が本当に企業内部の問題点を解決したかどうかだ。例えば、音楽配信サービス「網易雲音楽(NetEase Cloud Music)」や「QQ音楽(QQ Music)」、動画配信サイト大手「愛奇芸(iQiyi)」のように、料金を払って製品を使う習慣が、中国の消費者には定着している。しかも、エンドユーザーが進んで利用するような有料プロダクトは急速に成長しており、その売り上げは相当なものだ。

2つ目は、SaaSに取引やサービスを加えたタイプだ。米国では、大企業はSaaSそのものに積極的に利用料を支払い、SaaSを活用することで十分な収入と成長を得ている。中国では美菜網や找油網のように、企業はSaaS経由で顧客企業の取引プロセス全体に関わり、中間手数料を得る。GGVはより多くのバーティカル産業でこうした企業を探し、SaaSを通して企業効率を高め、企業データの蓄積と取引を通じて収益を出している。

今年の企業サービス市場の過熱に対して符氏は、市場にはあぶくのようにすぐに消えて無くなるニセモノも存在するが、投資家はその中にある本物を探し出さなければならず、GGVもSaaSに対して長期的な投資リズムを保ち、シードだけでなく、アーリー、ミドル、レイターなど成長ステージに合わせた投資を計画すべきだと述べている。
(翻訳・永野倫子)

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