東京ゲームショウに中韓勢の波!中国発「無限大ANANTA」がフューチャー部門賞

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中国ゲーム大手網易(NetEase Games)傘下のNaked Rain Studioが開発するオープンワールドRPG「無限大ANANTA」が、9月28日に東京ゲームショウ2025の「日本ゲーム大賞2025」表彰式で 「フューチャー部門賞」 を受賞した。ほかの11作品はセガやカプコン、バンダイナムコエンターテインメントなど日本の大手企業が中心だった。中国発タイトルの受賞は日本市場での存在感を高める重要な足がかりになりそうだ。

プロデューサーのAsh氏は授賞式で「キャラクターに独自の生活を与え、皆に心から愛される存在にするために、私たちはキャラクターの個性の研究に非常に多くの時間を費やした。そして、その個性に基づいて、その外見を形作り、物語を紡ぎ、冒険を描き出した」と語った。

長蛇の列を生んだブース

TGS2025は過去最多の1138社が出展し、そのうち海外勢が615社と過半数を占めた。特に、中国・韓国企業が存在感を発揮した。会場の中央を陣取った中韓のブースは、豪華なセットやコスプレ、照明演出、魅力的なグッズの配布などで来場者を惹きつけていた。中でも「無限大ANANTA」のブースにはゲームを体験をしようと来場者の長蛇の列ができるなど人気を呼んだ。配布した黄緑色のユニークな巨大リュックサックは会場内でひときわ目を引き「それはどこでもらえますか」という質問を何度も受けるほどだった。

日本市場の重要性

Naked Rainは、中国・杭州とカナダ・モントリオールに拠点を持つ。10年以上に渡るコンテンツの重要な部分へのアクセスを無料でプレイヤーに提供する「F2Pモデル」と呼ばれる開発の知見をベースに、ストーリー制作やアート制作を内製化している。アニメIPのデザインに特化したチームを抱え、ゲーム機、パソコン、スマートフォンと複数プラットフォームに対応可能な体制を整えている。

これは、「荒野行動」「第五人格」「NARAKA: BLADEPOINT」などを展開してきたNetEaseの世界戦略に沿うものだ。

Naked Rainの担当者は会場で「2次元は日本を意識しており、受け入れられやすいはず。ヒットを狙いたい」と語った。日本市場は、Level Infiniteの「勝利の女神:NIKKE」やmiHoYoの「原神」など海外発タイトルが国際展開の突破口となってきた経緯があり、無限大ANANTAも同様に日本を入り口に世界に展開できるか注目される。

中韓に勢い

韓国Smilegateの「MIRESI:視えない未来」は巨大スクリーンを用いた演出と美少女キャラクターで話題を集め、体験コーナーには行列ができた。日本事業戦略企画室の鈴木諒課長は「日本はゲームの伝統があり、ユーザーが成熟した重要市場。ここで成功すれば、世界で売れるきっかけになる」と語った。これに対し「日本大手のブースは手堅くまとめた安定感はあったものの、中韓勢の勢いに押され気味だった」(業界関係者)との見方もある。

TGS2025は、「日本のゲームの祭典」を超え、中韓を中心としたアジア企業がグローバル競争に打って出る最前線へと進化し始めている。「無限大ANANTA」の受賞は、その潮流を象徴する出来事であり、今後の市場勢力図を占う試金石となり得る。

(36Kr Japan編集部)

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