負けられない「天猫超市」 アリババ生鮮事業の主導とライバル他社との競争

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負けられない「天猫超市」 アリババ生鮮事業の主導とライバル他社との競争

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アリババ傘下のネットスーパー「天猫超市(Tmall Mart)」は昨年11月、組織変更により独立した事業グループとして配置された。責任者となる総裁には「京東商城」でCOOを務めた李永和氏が抜てきされ、新たな体制となってから1年近くが過ぎた今、天猫超市の配達時間はさらに短縮されている。

李氏は、来年3月までに全国100都市で半径20キロメートル以内の「立体生活圏」を構築するという天猫超市の新たな目標を発表した。具体的には、同圏内では一般商品は半日、また生鮮食品は1時間での配達サービスを実施する。これに関し、天猫超市はオフラインのパートナーとCFC(Closer Fulfillment Center、近距離物流センター)を共同で構築し、受注対応能力の向上を図る計画だ。

天猫超市の新物流体制

天猫超市の進化は、ニューリテール分野におけるアリババの新たな措置の一環といえる。またアリババの地元密着型生活サービスとしては、生鮮スーパー「盒馬鮮生(Hema Fresh)」、フードデリバリー「餓了麽(ウーラマ)」、デパートチェーン「銀泰百貨(INTIME DEPARTMENT STORE)」、大型スーパーマーケットチェーン「大潤発(RT-MART)」に続きニューリテール体系に加えられた業務となる。

アリババはさらに、天猫超市で複数スーパーマーケットの商品を扱うマルチブランド戦略を発表しており、toCおよびtoBで同時展開するという。一般消費者向けのtoC業務では、主に天猫超市とアリババのもう一つの小売業態である「淘鮮達(Taoxianda)」をメインとし、そのうち天猫超市はオンラインユーザー経由でさらなる誘客に務め、一方で淘鮮達ではアリババがこれまで買収した小売企業のオフライン店舗を改装することで、既存顧客に対応していく。

天猫超市事業群によるマルチブランド戦略、主力は天猫超市と淘鮮達

天猫超市のアップグレードは内外両方からの圧力によるものでもある。外部では京東集団(JD.com)が運営する「京東超市」との激しい競争が繰り広げられており、数千億ドル(数十兆円)規模のオンラインスーパー市場をめぐりつばぜり合いが続いている。また内部では、盒馬鮮生、菜鳥網絡(Cainiao Logistics)および餓了麽などアリババグループのニューリテール事業同士の競争も発生している。

負けられないライバル企業との競争

天猫超市はこれまで「No.1ネットスーパー」としての地位を獲得するため、ユーザー規模、売上高、対応能力、取扱いブランド数において京東超市との間で火花を散らしてきた。値引きはもちろんのこと、両社は他社のスーパーマーケット事業との提携を通じてリソースを自社に取り込んでいる。例えば天猫超市では現在、独「メトロ」や「INFERNO」、スペイン「DIA(ディア)」など海外の10以上のスーパーマーケットの商品が購入できる。また京東超市も米ウォルマートのほか、「永輝超市(YH Mart)」「新一佳超市(A.Best)」「中百超市(Zhongbai Supermarket)」といった国内のスーパーマーケットと提携している。

両社は注文対応能力の向上にも努めてきた。天猫超市は即時配送に関する消費者のニーズに応えるため、半日配送や1時間配送などの物流サービスを追加し、これまでの翌日配送と併せてサービス範囲を拡大した。一方で京東超市は、消費者の最寄り店舗から商品を配送する「物競天択」サービスを開始し、「30分配送」を達成するために欠かせないラストワンマイルの工夫を凝らしている。自社運営の物流範囲を超えて、オフラインの各店舗(コンビニ「京東便利店」、デジタル製品や家電を扱う「京東電脳数碼専売店」「京東之家」および中小配送センターなど)やクラウドソーシングを利用した配送、さらには他社スーパー(直営店、代理店、販売店など)による配送が実施され、時間的な制約をクリアしている。

ある中国国内のレポートは一昨年、EC合戦が最終的に最も難易度の高い日用消費財に回帰し、高頻度かつ販売量の安定したそれらの商品がECの新たな成長をもたらすとすでに指摘していた。アリババと京東は日用消費財の販売において優位に立つことを狙い、これまでスーパーマーケット事業の強化を続けてきた。両社はここ2年間で、オフラインスーパーマーケットの買収や投資をほぼ終え、絶対的多数のオフラインリソースを分割した。これらのスーパーマーケットといかに連携を図り、運営効率を高めるかが、まさに天猫超市と京東超市の新たなミッションとなっている。

アリババ内部の業務統括が複雑化

現在、アリババグループのニューリテール事業が抱えるスーパーマーケット業態には、天猫超市および淘鮮達、盒馬鮮生および買収先の大潤発や銀泰などが含まれる。これら重複した業務間でいかにすみ分けや提携を実施し、また誰が意思決定するかという点が新たな問題となっている。

天猫超市の事業グループではマルチブランド戦略を実施し、傘下に多くの業務を抱えている。このため、オンライン・オフラインのスーパー業態の全販売チャネルを統合し、技術、製品、サプライチェーンなど多方面でグループに貢献するというさらなる重要任務が課されているのだ。李氏の言葉を借りれば、この事業グループが事実上、アリババグループのニューリテール戦略を主導する存在となっている。

天猫超市のサプライチェーンにおける需要を満たす上で、オフラインのスーパーマーケット事業の重要性がますます高まっている。大潤発と欧尚(オーシャン)は昨年、天猫超市に1億3900万元(約22億円)分の商品を供給したほか、新華都購物広場(New Hua Du Supercenter)では173万元(約2700万円)、また三江購物(Sanjiang Shopping Club)でも1億6000万元(約25億円)に達している。また、淘鮮達による小売企業のオフライン店舗改造計画も、すでに全国26スーパーの800店舗にまで及んでいるという。このほか、今年に入り盒馬鮮生と天猫超市の提携も進んでおり、盒馬鮮生のオンライン注文のうち、かなりの商品が天猫超市から提供されており、両者は商品と即配物流においても協力を図っているとのことだ。

アリババグループの小売業務を主導する天猫超市は、設立から8年が経った現在、アリババグループの各成長段階に見合った役割を果たしてきた。ただし、アリババグループのスーパー事業が拡大を続ける中、真の意味で同事業をリードできるかについては今後の成り行きを見届ける必要があるだろう。さらに外部の競争環境においては、京東超市が現時点で天猫超市を一歩リードしているのが現状だ。天猫超市が最終的な勝利を収めるのはたやすくない。
(翻訳・神部明果)

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