原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
Facebookやグーグルがたびたび情報収集やプライバシーに関する問題に見舞われる一方で、アップルはかなり「平穏」な日々を送っているようにみえる。先日、アップルのティム・クックCEOがプライバシーに関する取材で答えた内容は、一躍話題となった。
外国メディアは24日、クックCEOが取材に対し「アップルはユーザーデータを収集することはしない。またそれを利用して利益を得ることは尚更ない」と再度表明したと伝えた。
クックCEOはさらに「多くの人々は大企業に対して懐疑的だが、我々はプライバシーの保護を最も重要と考えている。アップルがユーザーの個人情報を収集することはない。ユーザーに関する情報はユーザーのデバイス上にあるべきであり、アップルが保有するべきものではない」と述べ、加えて「我々はデータセンターの物理的な位置を重要視しない。我々のサーバーは世界の複数の国に分散している。各国におけるデータにはいずれも厳格な安全管理措置を講じており、ある国のデータセンターからデータを詐取するのが別の国よりも容易であるというような状況は存在しない」と語った。
クックCEOはさらに「プライバシーより利益を優先するという考え方は決して新しいものではないが、我々はデータ収集をサービス向上の口実とすることに寛容になるべきではない。それは一種の監視である上に、それを認めれば個人情報データベースは単に企業のデータを増やすだけになってしまう。アップルはユーザーの個人情報収集によりサービスを改善することはない」と述べている。
アップルはさらに、公式サイト上のプライバシーに関するページを11月6日に全世界で更新した。ユーザー情報を不当に収集し、ユーザーの人権を侵害している一部のアプリに対し、データの取り扱い制限をいっそう強化し、同時に自社のソフトウエアにおけるプライバシーの保護機能に関してもアップグレードを図った。ウェブブラウザ「Safari」にはインテリジェント・トラッキング防止機能が新たに追加され、広告事業者による追跡をブロックする。また「Siri」もユーザーのIDとは結びついておらず、アルゴリズム改善のために録音内容を保存するかどうかをユーザーが選択することができる。
クックCEOは取材の最後に、「個人的には、この世界でプライバシーが守られないことを非常に危惧している。自身のプライバシーが、ある企業によって長期間監視されていることを知れば、自身の行動を制限したり、ウェブサイトの閲覧や検索を減らしたりするようになるだろう。これは私が暮らしたい世界ではなく、子供たちに住ませたい世界でもない」と語った。
クックCEOは以前あるメディアに対し、アップルはアップルユーザーの個人情報やプライバシーを保護する責任があると述べており、FBI(米国連邦捜査)によるiPhoneのロック解除に関する要請を拒否したことがあった。
(翻訳・神部明果)
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録