国内市場飽和に危機感 ショート動画大手の「快手」がブラジルでシェアを伸ばす

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国内市場飽和に危機感 ショート動画大手の「快手」がブラジルでシェアを伸ばす

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ショート動画配信の「快手(Kuaishou、海外版は『Kwai』)」は最近、ブラジルのサンパウロにオフィスを設立すると同時に「クリエイター募集計画」を発表し、ブラジルで画像・動画配信者の募集を開始した。今後は1000人に上るクリエイターチームの構築を目指す。

快手はブラジルを海外の主要市場とする構えだ。そのために現地ユーザーの習慣に対応した機能をリリースし、メッセージアプリ「WhatsApp」での動画シェアを可能とした。関係者によると、ブラジルでのデイリーアクティブユーザー(DAU)は現時点で700万人に上るという。

アプリ市場データと分析ツールを提供する「App Annie」によると、Google PlayとApp Storeのデータを合わせて、今年のブラジルでのモバイル端末による快手のダウンロード件数は、10月時点でFacebookなどのソーシャルアプリに続く第5位となった。

中国のショート動画アプリとしてブラジルに進出しているのは快手だけではない。バイトダンス(字節跳動)が運営するショート動画配信アプリ「抖音(Douyin、海外版は『TikTok』)」の海外市場のうちブラジルを重視することとし、10月に市場で攻勢をかけた。その時点でブラジルでのDAUは100万人を超え、DAUが300万人余りだった快手を追いかける体勢を整えている。

快手では昨年12月、海外事業の実質的な責任者が退職し、海外事業が調整期に入った。東南アジアやインドなどで投資を停止し、従業員も大量に流出した。

今年上半期(1~6月)の快手はインドからほぼ撤退している状態だった。調整期を終えた快手は9月、海外での社員募集を再開し、インドで新たに快手と同じようなショート動画アプリ「UVideo」と動画編集ツール「MV Master」をリリースした。

なぜブラジルに進出したのか?

中国国内でショート動画アプリの普及が減速する兆しがみられたため、快手は「海外にはユーザーが30億人を超える大きな市場がある」と考えた。ブラジル、インド、ベトナム、インドネシアで快手はある程度のシェアを持つ。App Annieによると、Google PlayとApp Storeのデータを合わせて、2018年1月から2019年10月の累計で快手のユーザーが最も多いのはブラジルだ。ブラジルでの快手のダウンロード件数は海外市場の32%を占め、続くインドは23%となっている。

海外進出先として投資家も注目するインドでは、TikTokやソーシャルメディア「YY(歓聚時代)」傘下の「Likee」、バイトダンスの「Helo」、アリババ新規事業創出部門傘下の「Vmate」だけでなく、現地の「ShareChat」も加わり、シェア争いが繰り広げられている。

インドに比べ、ブラジルではショート動画アプリの競争が激しくない。ブラジルには2億人余りの人口ボーナスと共に自己表現を好む国民性があり、サンバに代表される音楽と学校産業もショート動画アプリが現地でユーザーを開拓するチャンスになる。

またブラジルのユーザーには支払い能力もある。ブラジルは、2018年のGDPが2兆1997億2000万ドル(約240兆円)に上る高所得国で、ここ数年の一人当たりGDPは9000ドル(約100万円)前後で推移している。

ブラジルで快手がユーザー獲得によって収益化を実現すれば、今ある先行者利益も重なって、将来的には同国のショート動画アプリの競争における中心的存在となるかもしれない。

(翻訳・神戸三四郎)

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