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不動産大手の中国恒大集団、新エネ車事業に後発参入 20年上期に初モデル発表へ

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不動産デベロッパー大手「中国恒大集団(Evergrande Group)」がこのほど開催した「新エネルギー車グローバルパートナーサミット」で、董事局主席の許家印氏は、新エネルギー(NEV)車ブランド「恒馳」の初代モデル「恒馳1」を2020年上期に発表し、21年中に量産を開始することを明らかにした。恒大は新エネ車事業に3年間で450億元(約7000億円)を投資する計画だ。内訳は19年が200億元(約3000億円)、20年が150億元(約2300億円)、21年が100億元(約1500億円)だという。

傘下の恒大新能源汽車(Evergrande New Energy Automotive Group)は
世界の自動車部品会社60社と契約を結んでいる。

恒大は世界各地に10カ所の生産拠点を構えており、向こう10年で年間生産能力を500万台にする目標を掲げている。初年度の予定は100万台だ。これと並行して、スウェーデンの高級車メーカー「ケーニグセグ・オートモーティブ(Koenigsegg Automotive AB)」と連携し、スーパーカーを年間1000台生産する。

新エネ車事業には後発参入となる恒大だが、許氏は他社との競争をレースに喩え、「コーナーで先行車を抜き去りたい」と語り、買収や提携、エコシステムの構築などを通じて拡大路線を歩む方針を示した。

今回のサミットでは世界の自動車部品会社60社と戦略的提携を結んだ。これに先立ち、独ベンツやBMW、ポルシェ、伊ランボルギーニなどの高級車ブランドを展開する世界トップメーカー15社のデザイナーと「恒大新エネ車デザイン専門家委員会」を立ち上げた。「恒馳」全シリーズのデザインを同委員会が手掛ける。

こうした動きを受け、恒大の新エネ車事業の輪郭がようやく明確になってきた。恒大が作る新エネ車産業の枠組みは、自動車メーカーやエンジン・テクノロジー、スマート・テクノロジー、ディーラーなど新エネ車のサプライチェーン全般にわたる。傘下にスマートカーを手掛ける「恒大法拉第未来(Evergrande FF)智能汽車(中国)」を収めるほか、オランダ商用車大手のDAFトラックとVDLグループの買収も検討している。内部関係者によると、恒大は今後、研究開発の中心拠点を欧州に置き、工場や生産は中国国内をメインにする考えのようだ。

恒大の新エネ車事業を巡る動きは華やかだが、その裏では巨額の投資と自動車市場の低迷という問題を抱えている。傘下の「恒大健康産業(Evergrande Health)」が発表した2019年6月の中間決算は、最終損益が約20億元(約300億円)の赤字だった。その主因は新エネ車事業の拡大だ。事業は初期投資の段階にあり、研究開発などの関連費用や支払利息が膨らんだためと説明している。

中国の新エネ車市場も7月に2年ぶりのマイナス成長となった。8~10月も減速が続いている。これに加え、米EV大手テスラが中国で足場を固めつつあり、「小鵬汽車(Xpeng Motors)」「威馬汽車(WM Motor)」「上海蔚来汽車(NIO)」などの中国勢も既に市場展開している。恒大はこうした競争の中で、市場の一角を占めることができるのだろうか。
(翻訳・鈴木雪絵)

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