AIによるボディスキャニングで理想の体型を提案する「Visbody」

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AIによるボディスキャニングで理想の体型を提案する「Visbody」

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人工知能に関する研究はここ数年大きな成果を得られていないが、多くのAI関連企業は「AIによる顔認識」をビジネスに応用することばかりに集中し、AI技術が人体、運動、モバイルなどの分野で広く利用されているとは言い難い。

ヘルステック企業「維塑科技(Visbody)」が取り組む課題は、AIによって人の身体全体を知ることである。同社は2014年に設立され、インテリジェント健康管理と評価に注力している。創業者である楊少毅氏によると、同社のコアチームはAIとマシンビジョンの技術者で、10年にわたる「AI+人体」アルゴリズム研究の蓄積によって、ビジョンセンサーで捉えた人体情報から、バイタルデータ(体温、心拍数、血圧など)、身体組成(体脂肪率、骨格筋率、基礎代謝、骨密度など)、身長や腹囲などの身体サイズ、3D体形情報および運動能力と体質(基礎体力や関節の柔軟性を含む身体の動的評価)などの多次元データを抽出できるという。

同社の技術チームは2010年からこの分野の研究を始め、直近10年の研究で「AI+人体」アルゴリズムと基礎技術の開発を完了した。2016年からこの技術を活かすのに相応しい着地点を模索し、最終的に2017年初めにフィットネス業界で活用することを決定した。同社の初代設備は2017年に北京で開催されたフィットネスフォーラム「CHINAFIT」で発表された。

36Krは以前にも維塑科技について報道しているが、維塑科技の測定機器は従来の測定機器と比べ、3DマシンビジョンとAIによって人体の多次元にわたる健康・運動データを非接触で取得し、ユーザーの高精度な3Dモデルを生成でき、これまでにない新しい方式によるヘルスレポートとユーザーエクスペリエンスをユーザーに提供する。

維塑科技の3Dスマート身体測定製品の特徴は、3D人体イメージング技術にある。

データの多次元化:
上記で述べたように、体脂肪率、体重などの粒度の粗いデータ以外にもVisbodyの3Dモデルはより多くの次元のデータを復元できる。例えば猫背、側弯症(左右の肩、肩甲骨の高さが異なる)、骨盤前傾などの体の問題なども復元可能である。

可視化:
可視化による直接のメリットは、ユーザーが自分の体の変化を客観的に見ることができることである。 同社は体形を比較できる機能も開発し、ユーザーは直感的に運動の効果を確認でき、この機能はユーザーのサービス利用継続に効果がある。

スマートクラウド化:
Visbodyのデータ結果はモバイル端末に同期され、微信(WeChat)で表示される。ユーザーは自分のデータをいつでも確認でき、また体型予測機能も開発されているので、ユーザーは体重変化による自分の体形の変化をチェックできる。

フィットネス業界を選んだ理由に関し、「フィットネス業界全体の測定ツールと方法は古典的であり、測定データも精度が低く、精度の高いデータへの需要は長期的に存在しており、ここに変革のチャンスがあった。また、人体の3D復元という技術的観点からいえば、フィットネスのデータ収集はアルゴリズムの最適化にとってもメリットがある」と楊氏は語る。

同社の紹介によると、製品はすでに第三世代まで開発されており、最新設備が必要とする設置面積はわずか1~2平方メートルで、価格は5万元(約78万円)である。来年には2つの新モデルがリリースされる。1つはより専門的で多くのデータを提供するモデルで、精度と安定性の面で機能が向上しており、リハビリセンターや大手ジムなどでの利用を想定している。もう1つはより小型のスタジオでの利用を想定したモデルだ。

販売チャネルの面では、トレーニングジムの運営企業を主な販売先とし、現在提携しているジムは「超級猩猩(Supermonkey)」、「光豬圏(SunPig)」、「堅蛋運働(Danfit)」、「金吉鳥(LuckyBird)」などである。製品はすでに中国全土の約200都市の1000カ所を超えるトレーニングジムに導入され、ユーザー数は100万人を超える。トレーニングジムに加えヨガスタジオ、病院なども同社の顧客であり、国民体力監督センター(China Physical Fitness Surveillance Center)とも提携している。現在、トレーニングジム以外の顧客比率は徐々に増えて30%に達しており、今後さらに多くの業種へ展開していく予定だという。
(翻訳・普洱)

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