無印良品が中国でも住まいのワンストップサービス「MUJI INFILL」をリリース

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無印良品が中国でも住まいのワンストップサービス「MUJI INFILL」をリリース

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中国の消費者に対し長年にわたって「日本の美意識」を啓蒙してきた無印良品がついに住宅のリノベーション事業にも乗り出した。これに抱き合わせて人気商品の収納ケースや「人をダメにするソファ(商品名は「体にフィットするソファ」)」、食器や鍋などの調理器具もまとめてニーズのある消費者の家に届けようというわけだ。

無印良品は中国の公式サイトで今月21日より「MUJI INFILL」というリノベーションサービスを始めることを発表。「床から壁、屋根から収納、キッチン、ソファ、ベッド、バスルーム、トイレまで、あらゆる生活シーンにおいて、MUJI INFILLは計画からデザイン、施工までワンストップサービスを提供し、ユーザーのニーズにぴったりの居住空間を作り出す」としている。

早くも2000年、無印良品は日本で「MUJI HOUSE(無印良品の家)」というサービスを打ち出している。住宅を建てて販売するだけではなく、内装サービスも提供するものだ。そのうちリノベーションサービスである「MUJI INFILL 0」では、現在の生活を原点(ゼロ)に戻し、家の躯体(くたい)とサッシだけを残す。「MUJI INFILL +」では家全体の家具や建具の配置なども行い、自由にライフスタイルをアレンジする。今回は両サービスを合わせて「MUJI INFILL」として中国国内で展開する。

(写真:「無印良品」中国の公式サイトより)

一見すると、無印良品がやろうとしていることはスウェーデンの家具大手イケアとほぼ同じように見える。違いとしては、大きな売り場に設置したモデルルームで理想的なライフスタイルを展示するイケアに比べ、ショッピングモールに出店する無印良品では展示スペースに限りがあった。そこで、無印良品はホテルを開業するという方法で無印式ライフスタイルを展示するしかなかった。2018年1月、中国国内初めての「MUJI HOTEL」を深圳にオープン、その後北京や日本の銀座にも相次いでオープンさせている。

無印良品の主力商品は生活雑貨だ。服飾から化粧品、キッチン用品から家電までほぼ全てを網羅している。商品カテゴリはしだいに飽和してきており、同社は成長のために新しい対策を練らなければならなかった。

近年、無印良品はサービスの深化につとめ、消費シーンの違いに合わせて主力商品の構成を見直している。「MUJI to GO」は空港や駅で旅行客向けの商品を販売。「Cafe & Meal MUJI 」では客が好きなデリ(惣菜)を選んで自由にセットメニューを作ることができる。「MUJI HOTEL」ではインテリア商品をホテルに導入。さまざまな商品を一度に体験することができ、新しい収益化の道を生み出している。

中国の消費者にとって、無印良品はかつて日本風美学の代表だった。そのシンプルで洗練されたインテリアは中国の若者、特にホワイトカラーに多くのファンを獲得。ここ数年中国では日本のドラマや映画の人気も高く、こうした映像コンテンツが日本風インテリアの宣伝にひと役買っている。

しかしファンが多い無印良品に多数のライバルが登場することは避けられなかった。

2016年に設立したネットイース(網易)傘下の「網易厳選(NerEase Yeation)」はネット販売を主とし、「いい生活はそんなに高くない」との理念を徹底、低価格で日本スタイルを模した商品を販売している。一部の商品は「無印良品と同じサプライヤー」から調達しているというのが、スタート時の売りでもあった。

アリババ傘下のECモール「タオバオ(淘宝網)」に出店しているインテリアブランドといえば、半分は北欧風でもう半分は日本風だ。前者はイケアを、後者は無印良品を模倣している。

中国における年間最大のネット通販イベント「双11(ダブルイレブン)」において7年連続でインテリア部門の売り上げトップを記録している「林氏木業(Linshimuye)」は2019年の双11で9億8000万元(約150億円)を売り上げた。「白木」「現代風」「日本風」…同社の商品ページでよく見られるこれらのワードは全て無印良品の家具にも当てはまるものだ。

中国産ブランド台頭の背後には無印良品の停滞がある。親会社である「良品計画」が発表した2019年上半期の決算報告によると、2018年第1四半期(1~3月)から無印良品の中国における売上高はマイナス成長となり、2019年第2四半期にはいくらか持ち直したものの、前期比で2%の成長にすぎなかった。

無印良品はこれに危機感をもち、2019年3月、5年来で11回目となる値下げを行った。今回の値下げは主に寝具関係に集中している。中国人の習慣に合わせて商品サイズを拡大したのと同時に価格も4分の1近く値下げした。

「MUJI INFILL」のリノベーションサービスは中国市場を挽回するもう一つの手段だ。単にインテリア用品を販売していたところにデザインや施工サービスを加え、オーダーメイドスタイルで同業他社よりも一歩先を行くことで、商品に競争力を持たせるのが狙いだ。

無印良品はかつて中国の消費者にシンプルという美学を啓蒙した。しかし地方化が進む中国市場で以前のような輝きを失ってしまった今、MUJI INFILLが中国消費者の心を取り戻すことができるかどうかはまだわからない。だが、無印良品が中国市場においてこれからも足を止めることなく変わり続けることは確かだ。

(写真:「無印良品」中国の公式サイトより)
(翻訳・山口幸子)

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