スマートリテールの「Infimind」、AIをアパレル業界に導入し「ヒト・モノ・コト」を変革

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スマートリテールの「Infimind」、AIをアパレル業界に導入し「ヒト・モノ・コト」を変革

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米国、フランス、日本などの先進国におけるアパレル市場の成長率は平均3%以下であるのに対し、中国では5%以上の成長率を維持している。市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルの統計データによると、2017年の中国のアパレル市場は2兆3000億元(約36兆円)規模で、5年間の年平均成長率は6.1%だ。

アパレル小売りにとって、デジタル化は将来的な発展を目指すなら必ず通らなくてはならない道だ。その本質はコンシューマー・ドリブン(消費者主導)であり、ビッグデータやテクノロジーによって、インダストリアルチェーン全体のデジタル化を進めること、またオンライン・オフラインの一体化によって効率や体験の向上を図ることだ。

中国アパレル業界のデジタル化は主に次の四つの側面で進められている。

■サプライチェーンのデジタル化:消費者の声を迅速かつ詳細に汲み取ること
■運営のデジタル化:独立した経営能力を磨いていくこと
■チャネルのデジタル化:消費者との深い関係性を継続すること
■マーケティングのデジタル化:持続的な収益力を確立すること

アパレル小売りの超大手企業はいずれも中国の販売現場でスマート化、デジタル化を推進している。例えば、米GAPはオンラインで注文した商品を店頭で受け取れるシステムを、ユニクロは商品の着用イメージをシミュレーションできるARデジタル体験館を打ち出している。

こうした技術を提供しているIT企業の一つにテンセントがある。実店舗のクローンをバーチャルで作り上げ、顧客が店を離れた後もバーチャルショップを通じてオンライン経由で彼らと接触を続けるというコンセプトだ。

「極叡科技(Infimind)」はAI関連技術をファッションや小売業界で実用化するテック企業で、2017年に創業した。中核メンバーはいずれも、清華大学コンピューター学科で政府が支援するAIラボに所属していた。それぞれ清華大学、米マサチューセッツ工科大学、シンガポール国立大学、中国人民大学などで教鞭をとった経歴を持つ。

同社はアパレル小売業向けに3つのプロダクトを提供する。一つ目は独自開発のAIオープンプラットフォーム「AIFashon」、二つ目はオンラインショップの運営自動化を支援する「ECPro易店通」、三つ目はファッションブランド向けのスマートデータ管理ミドルウェア「PIM」だ。現在の顧客は主に服飾ブランドとEC出店業者で、年末までに顧客数が100~200社に達し、黒字化する見込みだ。

顧客体験(UX)の向上と人的コストの削減を目的に、アパレル系オンラインショップ、コンテンツメディア、ブランド、販売店向けに展開するAIオープンプラットフォーム「AIFashon」。オンラインでは商品画像検索、商品分類やラベリング、SNS画像の商用化、キャッチコピーの自動作成などを行う。オフラインでは試着用ミラーのスマート化やウィンドウディスプレイのカスタマイズなど、店舗空間の改善を行う。

スマート・ミラーとは、顧客が手に取ったあるいは試着した商品をコンピュータービジョンやRFID技術でセンサー処理し、商品の生産国、素材、手入方法など顧客の知りたい商品関連情報を表示するもので、さらにオンラインの自動コーディネイト機能を通じ、店内で取り扱っている別商品を合わせて提案してくれる。

カスタマイズ・ウィンドウとは、ウィンドウ前を通過する顧客の容貌やファッションの傾向を読み取って、その人の興味に合致する商品や広告を予測して表示するものだ。

「AI Fashion」はそれぞれの顧客企業の細かな要求に応じて仕様をカスタマイズできるが、もしこうしたリクエストがない場合はわずか数分で納品可能だ。画像認識、ラベリングなどの性能テストでは精度98%との結果が出ており、反応時間も1秒以下となっている。

EC運営の自動化を支援する「ECPro易店通」は、オンライン出店する企業および個人に向けて商品説明ページの作成や出品業務を代行するSaaSで、現時点でタオバオ(淘宝網)、天猫(Tmall)、拼多多(Pinduoduo)などの大手ECプラットフォームのメンズ、レディース、キッズカテゴリに対応している。画像認識技術を通じて多くの商品の属性を正確に認識し、キャッチコピーを作成したり、画像をトリミングしたり、画面レイアウトを行ったりする。また、ユーザーに対し、商品の価値をアピールしてコンバージョンレートを高める。大手企業にとっては大幅なコスト削減、中小企業にとっては担当人材の不足を補うことができる。「ECPro易店通」は特定領域に特化したRPA(Robotic Process Automation)として、商品流通に大きな効果をもたらすことが期待される。

グローバル展開について、同社は2020年から欧米、日本、韓国、東南アジアなどへ段階的に進出予定。すでに日本のあるブランドと提携関係を結んでおり、日本市場の開拓が進んでいる。
(編集・Ai)

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