中国、世界初の「人工太陽」発電を目指す 核融合炉「BEST」2027年竣工へ

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中国外交部の毛寧報道官は10月25日、「人工太陽」と呼ばれている核融合実験炉「BEST」が2027年に完成し、人類史上初の核融合による発電を実現する見通しだと発表した。

BESTは安徽省合肥市にある核融合技術の総合研究施設に建設中で、2025年5月に全体の組み立て作業が始まり、10月1日には重さ約400トン、直径約18メートル、高さ約5メートルの巨大な真空容器が設置された。中国の核融合分野で最大規模の真空部品であり、核融合炉本体の「基礎」に相当する。

中国中央電視台(CCTV)の報道によると、BESTは世界で初めて核融合発電を実証し、2030年には実際に発電が行われる見込みだという。

高温超伝導技術の進歩に加え、核融合炉の設計や運転制御に人工知能(AI)が活用されるようになったことで、核融合炉の建設コストや工期が大きく圧縮され、商用化に向けた歩みが加速している。

浙商証券(Zheshang Securities)によると、中国はトカマク型核融合実験炉「CFTER」や核融合・核分裂ハイブリッド炉「星火1号」、Zピンチ方式の核融合・核分裂ハイブリッド炉「Z-FFR」など、100億元(約2200億円)規模のプロジェクトが複数進めており、いずれも明確なタイムスケジュールを掲げている。また、招商証券(China Merchants Securities)」の統計では、2025~30年にかけて30基以上の関連装置が建設され、総投資額は3000億元(約6兆6000億円)を超える見通しとなっている。

*1元=約22円で計算しています。

(36Kr Japan編集部・茶谷弥生)

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