中国のスマート自動販売機はまるで55インチ画面のスマホ!
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36氪(36kr.com)ではこれまでにも、自動販売機の市場について詳細な分析をしてきた。TechNavioのデータによれば、米国では自動販売機の台数とコンビニエンスストアの店舗数との比率が30:1、日本では75:1である。中国チェーンストア経営協会の資料では、中国国内のコンビニエンスストアの店舗数は9万店、アメリカの比率を当てはめるならば自動販売機の台数は270万台、日本での比率を当てはめると675万台あっていいはずだが、中国の自動販売機の台数は20万台と、飽和状態にはほど遠い状態である。
中国市場で最大の自動販売機運営事業者は「友宝(深圳友朋智能商業科技有限公司)」で、そのシェアは25%である。しかし見方を変えると友宝はまだ5万台しか設置していないとも言えるわけで、設置台数の伸びしろは大いにある。また「インターネット+」という国家戦略やスマート化の時代を迎え、自動販売機にもまたトレンドに合わせた機能アップが求められ、より高機能で効率の高い自動販売機へのイノベーションが新たな多くのビジネスチャンスをもたらす。
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友朋は深圳にあるスマート自動販売機の供給業者で、ハードとソフトの開発、設計、さらには機器の生産まで手がけ、小売の最末端である自動販売機に新たな魅力を与えようとしている。
友朋の開発する自動販売機と従来型自動販売機との違いは?
従来型の自動販売機は Windows系をOSとして採用しているが、友朋ではAndroid8を採用している。また55インチのディスプレイ、音声認識用のマイク、高解像度カメラも搭載している。わかりやすく言えば、この自動販売機はスマートフォンを大型化したものとも言える。
友朋では1台の親機で6台の子機をコントロールする方式を採用して、1台あたりの生産コストを削減し、自動販売機の販売価格を低く抑えている。自動販売機事業者は1台の親機と2台の子機のセットを選択でき、3台1セットで、価格は29,800元である。
友朋では、DSP(Demand-Side Platform)+DMP(Data Management Platform)の広告プラットフォームを開発し、消費者が自動販売機を利用しようとしていない状況では3台のディスプレイを連動させた広告画面を表示させ、消費者が自動販売機に近づいたタイミングで、その自動販売機の画面を自動的に商品表示画面に切り替えることができる。また、消費者のデータを蓄積していくことで、よりインタラクティブなプラットフォームの開発を行えば、従来型の自動販売機と比較し大幅な広告収入の増収が見込める。
従来型の自動販売機の構造では限られた体積やパッケージの商品しか扱えなかった。友朋の自動販売機は着脱式の商品排出口を採用している。機器のモジュール化で商品格納部分や商品排出口の交換を可能にして、販売状況に合わせた調整が可能である。モジュール化によっても生産コストを削減している。
動販売機本体の設計や機構の違いの他に、友朋では従来型自動販売機にはなかった利用方法を提案している。一般の事業者に対しては、自動販売機のアップデートの効率を高め、管理コストを節減させる。モバイル決済方式の採用で現金集計事務の負担を軽減させ、クラウドサービスの活用で複数の自動販売機の遠隔管理を実現する。さらに、各自動販売機の稼働状況や商品の販売データをリアルタイムで管理ができる。
友朋は、このような基盤の上に、より利用シーンにフォーカスしたアプリケーションとマーケティングとを積み上げることで、スマート自動販売機の消費シーンを広げ、収益も拡大させる。例えば、スマホとミニプログラムと連動させて、支払いはオンラインで済ませ、商品はオフライン受け取ることも可能になり、SNSなどでメンバー同士が飲料などを贈り合うことも実現する。しかし、もっとも重要なことは、スマート自動販売機がオンラインとオフラインとを結びつける端末になることで、それによって自動販売機の近くにいる人の消費行動をデータとして蓄積した上で、クライアントに対してより精緻な商業価値の高い広告販売を実現することなのである。
もちろん、それを実現するための前提条件は、友朋がスマート自動販売機の事業者として自らの手で大規模なネットワークを構築することである。今のところ、友朋はスマート自動販売機の供給業者であって、各地の自動販売機事業者にソフト、ハード面でのソリューションを提供しているにすぎず、月産台数は500台から1000台だとされている。将来的には、友朋はフランチャイズや資本提携の方式によってスマート自動販売機の運営事業者になることを目指している。