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中国の再生医療スタートアップ「吉美瑞生(Regend Therapeutics)」がこのほど、シリーズCで3億5000万元(約80億円)を調達した。出資には、合肥高投(Hefei Hi-Tech VC)や洪泰基金(Hongtai Aplus)など新規7社に加え、冷杉溪資本(FIRHealth Capital)など既存株主も参加した。資金は、幹細胞や前駆細胞など主要製品の臨床試験および商用化に充てられる。
2015年設立の吉美瑞生は、特定の組織へ分化する能力が高い「前駆細胞」を用いた再生医療技術に特化しており、人体の組織や臓器の再生、修復、機能強化を図る革新的な細胞・遺伝子治療用製品を開発している。創業者の左為氏は清華大学博士で同済大学附属東方医院の教授を務める、細胞生物学の権威だ。
主要製品として開発している肺前駆細胞「REGEND001」と腎前駆細胞「REGEND003」は臨床試験の段階に入り、中でも慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特発性肺線維症(IPF)、慢性腎臓病(CKD)という3つの疾患に対する治療効果の検証が進んでいる。
「REGEND001」が適応症とするCOPDとIPFはどちらも患者の肺機能が徐々に低下する不可逆性の疾患だが、これまでは疾患の進行を遅らせるための治療がほとんどだった。
張CEOは「REGEND001」について、「患者の比較的健康な部位から採取した気道基底幹細胞を体外で増殖させた後、気管支鏡を用いて肺に移植することで健康な肺胞を再生し、患者の肺機能を向上さる」と説明した。臨床試験データによると、この治療を受けた患者は対照群に比べ、主要な評価項目において統計学的に優位な改善を示しており、肺機能の改善やクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に加え、肺胞の修復によって数百ミリリットルの肺容量増加が期待できるという。
今年、中国で「REGEND001」の第3相臨床試験を通じて、より大規模な症例数による治療効果を確認するための準備を進めている。また、「REGEND001」の改良によって開発された「Pulmovinci」は、米国食品医薬品局(FDA)からIPFを適応症とする希少疾病用医薬品指定(ODD)を取得しており、グローバル展開も視野に入れる。
腎臓領域では、2型糖尿病性腎臓病(DKD)を対象とした「REGEND003」の第1相臨床試験計画が承認され、最初の用量群の被験者登録が完了した。
DKDは、2030年までに患者数が世界で10億人以上になると予測されている慢性腎臓病の1種で、慢性腎臓病患者の3割以上がDKDだと言われている。現在は、疾患の進行を遅らせたり失われた腎機能を補ったりする目的で、薬物療法、透析、腎移植などが治療の中心となっている。
張CEOによると、腎臓系疾患向け製品は、採取した腎前駆細胞によって腎単位(ネフロン)を再生することが期待されている。「REGEND003」は、腎組織の穿刺採取が不要で、患者の尿から腎前駆細胞を非侵襲的に取得できるのが特長だ。非臨床試験では一定の再生活性が示され、血清クレアチニンや血中尿素窒素の数値が改善したという。
同社は、中国の医療特区である海南省博鰲の「楽城先行区」にて、2025年初頭から実用化プロジェクトを開始している。COPDや気管支拡張症などの患者に対し、1回15万元(約330万円)という価格設定で治療を提供。2025年5月末からの利用回数はすでに140回を超えた。
張婷CEOは「特区の実績で、幹細胞治療がビジネスとして成立することを証明できた。2026年は第3相治験を通じ、より大規模な症例で効果を裏付けていく」と自信を見せる。
*1元=約22円で計算しています。
(翻訳・大谷晶洋)
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