有力ドローンメーカー「XAG」、農業用無人車を発表 農業のスマート化を促進へ

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ドローンメーカー「XAG」、最新農業用無人車を発表 農業のスマート化を促進へ

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中国のドローンメーカー「極飛科技(XAG、旧XAIRCRAFT)」は昨年末、「2020スマート農業技術大会(SAC)」を主催し、同社開発の最新製品として、農業用無人車と自動操縦装置、スマート農業システムを発表した。技術革新を通じて、機械による労働代替とAI(人工知能)による経験代替を進めることで、農業における生産性の向上をめざす狙いだ。

同社は今、大きな転換点を迎えている。施肥や播種といった部分的なプロセスから栽培管理全体のプロセスへ、スマートハードウェアからデジタル農業向けプラットフォームへ、農業用無人航空機(UAV)の実用化から農業全体のスマート化促進へという転換だ。主力製品の高度化がその転換を促進する上でカギとなる。今回、同社が発表した最新製品は次の通り。

農業用無人車:あらゆる地形に対応した自動作業やセンチメートルレベルでの高精度ナビゲーション、ミクロンレベルでの農薬散布量の調整が可能といった技術的優位性を持つ。従来製品の数倍もの高い耐久性を備え、長い航続距離を実現、かつランニングコストを抑え、より安全に走行できるようになった。また、同社製の噴霧器「JetSprayer™」や農業用IoTシステム「XIoT™」などのスマート農業デバイスを搭載できる。果樹の栽培管理、圃場の除草やパトロール、農業用物資の搬送など農作業向けサービスを提供するもので、スマート農業の発展に向け、新たな需要に応えていく。農業用無人航空機(UAV)と農業用無人車という上空と地上との連携により、栽培管理のプロセスで無人化を進めている。

農業用無人車「極飛R80」

自動操縦装置:同社が構築した農業用高精度ナビゲーション・ネットワークをベースに自動制御技術を加味し、従来のトラクターやコンバインなど中・大型農業機械の精度を向上。搭載システムをオープン化するとともに、整地や耕起、播種などの農業機械の自動制御を実現した。指示された農作業を正確に行い、作業記録を同社のスマート農業システムに送りリアルタイムで同期することが可能だ。

スマート農業システム: 同社は昨年、圃場の生産管理や運営管理、設備管理、人材管理を一体化したスマート農業システムを開発した。システムのベースとなるのは同社製の無人航空機クラウドシステム「極飛雲」で、1日当たり8000万件にも上る大量のデータの収集や学習、評価を行い、それをもとにディープラーニングと継続的な最適化を進められる。このシステムは、作物の生育に関する重要指標に合わせて生産計画と農作業を正確に管理し、管理効率を高めると同時に生産量と品質の最適なバランスを追求して、生産性と収益性の最大化を実現するものだ。

同社が提供したデータによると、昨年9月20日時点で、世界で使用される同社製の無人航空機は4万2000機以上に上り、3億ムー(約2000万ヘクタール)以上の圃場、637万戸以上の農家にサービスを提供している。

国際成長戦略コンサルティングを手がける「Clear Strategy」が発表した最新のリポートによると、5G技術の実用化による同時多接続の実現で、業界を超えて空間情報をより有効に活用できるようになるほか、自動化とロボット技術の進展により、潜在的な生産能力が一段と向上し、業界間にまたがるバリューチェーンの相互作用が年々強まるようになるという。このことは、情報技術とAI、バイオテクノロジーが今後どのように進展するかによって、デジタル農業や精密農業、スマート農業も大きく変わってくることを意味する。リポートによると、2020年までにスマート農業のターゲット市場規模は270億ドル(約2兆9400億円)に達する見通しだという。

近年、中国では農業の機械化が急速に進み、技術と農業の融合によって市場の成長性を見込んだプレーヤーの市場参入が相次いでいる。例えば、昨年11月創業のクラウド関連技術の開発を手がける「智車雲服科技」が挙げられる。同社は主力製品として、スマート農業向けクラウド型プラットフォームや農業用無人車、農業用ロボットを開発し、この3つを融合した未来の農業向けソリューションを提供する。中でもこのクラウド型プラットフォームは、農業用無人車と収穫ロボットを制御するほか、他社製や別機種の農業機械をつなぎ無人運転や自動作業を行える。
(翻訳・北村光)

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