ファーウェイがHarmony OSを本格投入 任CEO「スマートフォンやタブレットに搭載」 

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ファーウェイの独自オペレーティングシステム「Harmony OS(鴻蒙OS)」が、サブブランド「honor(栄耀)」のスマートテレビに続き、スマートフォンとタブレットに搭載されることになった。

テンセントが1月21日に伝えた情報によると、ファーウェイの創業者である任正非氏はダボスで開催中の世界経済フォーラムの場で、同社のHarmony OSがすでに投入段階に入り、今後同社のスマートフォン、タブレット、テレビなどを含む一連の製品に搭載される予定だと述べた。

Harmony OSは、あらゆるシーンでの利用に適したマイクロカーネルベースの分散型オペレーティングシステムであり、各種端末のシームレスな連携を実現する。任氏は以前、Harmony OSはIoT機器向けに準備したシステムであり、同OSをモバイル用のオペレーティングシステムとして実用化するかについては未定だと述べていた。

ファーウェイは昨年11月、独ミュンヘンに世界トップクラスのスマートフォンハッカーたちを招待して秘密会議を開き、Harmony OSの脆弱性の発見を依頼している。この動きは、Harmony OSをスマートフォンに搭載するための布石と理解されてきた。

その前の8月上旬には深圳本部で自社開発のOSとしてHarmony OSを大々的に発表し、honorのスマートテレビにのみ搭載するとしていた。ファーウェイのコンシューマー事業部CEOを務める余承東(リチャード・ユー)氏は、Harmony OSが世界の開発者に向けたオープンソースとして公開され、低遅延性、高信頼性という特徴を備え、産業分野での活用に非常に適しており、工業、航空、宇宙、工作機械の自動化において大きな強みを持つと述べている。

OS周辺を取り巻くエコシステムを考慮して、ファーウェイはこれまでGoogle製OSのAndroidを優先的な選択肢としてきたが、Harmony OSの準備も着実に整ったといえる。余氏はこれまで、Googleのサービスが利用できない状況が続けば「当社は一夜にして全てのスマートフォンのOSをHarmony OSに変えられる。我々の準備はすでに万全だ」と度々述べてきた。さらに、今年3月に発売される新機種「P40」にHarmony OSを初搭載する可能性を示唆してきた。

Harmony OSは現在、マイクロカーネル、LiteOS、Linuxカーネルを内蔵し、主にIoTデバイスに対応しているが、AndroidアプリやWebアプリとの互換性があり、スマートフォンにも対応できる。つまり、同社の国内向けスマートフォンのOSは、短期間でアンドロイドからHarmonyOSへの切り替えが可能な状況だ。

とはいえ、システム開発は比較的容易であるのに対し、アプリケーションなどのエコシステム構築は難しい。GMS(Google Mobile Services)の供給が絶たれて以降、ファーウェイの海外市場での業績は落ち込んでいる。Gメール、Googleマップ、Youtube、アプリストアのGoogle Playなどに対する海外ユーザーの依存度は高く、こうした習慣を変えるのは簡単ではない。

余氏は新年の祝辞の中で「生き残りを最低条件に、海外でのアプリケーションエコシステムの問題を優先的に解決する。海外でのクラウドサービスはエコシステムとUX(ユーザーエクスペリエンス)を核として、短期的な利益を求めず、数年をかけて段階的に海外事業のボリュームを回復させ、同時にHMS Core(ファーウェイモバイルコアサービス)の構築を加速し、エコシステムの基礎を固めていく」と述べている。

今年中にGMSやAndroidが再提供される望みは薄いため、Harmony OSには大きな期待が寄せられている。

※アイキャッチ画像はファーウェイの「WeChat」公式アカウントより
(翻訳・神部明果)

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