コスト削減で成功したUber、配車事業で黒字化 コア事業以外も急伸

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米配車サービス大手Uber(ウーバーテクノロジーズ)が2019年第4四半期(10~12月)の財務報告を発表した。データによると、Uberの第4四半期の売上高はアナリストの予想を上回る前年同期比37%増の40億7000万ドル(約4400億円)、普通株主に帰属する純損失は前年同期比24%増だがアナリストの予想は下回り、10億9600万ドル(約1200億円)だった。

第4四半期のUberの原価および費用は50億4000万ドル(約5500億円)、売上原価は19億2700万ドル(約2100万円)、運営およびサポート費用は5億600万ドル(約550億円)だった。

ユーザーの支払金額は前年同期比28%増の181億3100万ドル(約2兆円)で、そのうちネット配車サービスが前年同期比18%増の135億1200万ドル(約1兆5000億円)を占め、フードデリバリー(Uber Eats)は前年同期比71%増、運送事業(Uber Freight)は前年同期比74%増だった 。これは配車サービス以外のフードデリバリーや運送事業の需要が伸びていることを示している。なお、配車サービス事業が単独黒字化を果たしたという。

Uberはドライバーと乗客のアクティブ率を上げるべく補助金とマーケティングに注力したこともあったが、米国で市場シェアが安定するにつれ方針を変化させている。

このことは売上高にも反映された。今四半期のオンライン配車サービス事業の売上高は前年同期比27%増の30億5600万ドル(約3300億円)、フードデリバリーの売上高は前年同期比68%増の7億3400万ドル(約800億円)、運送事業の売上高は前年同期比75%増の2億1900万ドル(約240億円)、その他の事業の売上高は3500万ドル(約38億円)だった。

注目すべきは、自動運転、ヘリコプターによるエアタクシーなどを研究開発するATG(Advanced Technologies Group)部門で今四半期に2500万ドル(約27億円)と、売上高を伸ばしてきたことだ。

地域別に見ると、依然としてUberの収益源は米国とカナダがメインであり、しかも第4四半期は前年同期比39%増の24億700万ドル(約2600億円)で、拡大傾向にある。ヨーロッパ・中東・アフリカとアジア・太平洋地域も成長は比較的大きく、売上高はそれぞれ前年同期比20%以上の勢いで成長している。

2019年、Uberはさまざまなサービスを連携させることで、コア事業の配車サービス以外で成長ポイントを探ってきた。利用率の高い配車アプリにフードデリバリーなどのサービスを抱き合わせにして、他サービスの利用促進を図ったこともある。電動自転車やレンタルバイク、エアタクシーにも投資し、昨年10月には中南米の食料品宅配サービス「Cornershop」を買収、チリとメキシコのグローサリー業界へ参入した。

支出削減のためUber が払った努力は実を結び始めている。2018年以降、Uberは中国や東南アジアから配車サービス事業を次々に撤退させた。少し前にはインドからフードデリバリー事業も撤退させている。マーケティングやフードデリバリーなど優先順位の低い部門でも組織のスリム化を続けている。

Uberがインドでフードデリバリー事業を行った期間は、中国や東南アジアで配車サービスのテスト運用をした期間よりも短かった。これはコスト削減に対するUberの意思決定の迅速化を示している。

UberCEOのダラ・コスロシャヒ氏は決算発表後の電話会議で、「コスト削減の実施により2020年第4四半期には黒字転換を実現する」と述べ、同日の取引終了後、同社の株価は1%以上上昇した。

今回の財務報告書は、Uberのポテンシャルを明らかにしている。目下の課題は、各地の規制当局との関係をどのように扱うかがだ。最近はロンドンで営業許可証の更新を拒否され、コロンビアとドイツでは事業内容見直しやサービス停止を求める裁判所命令が出され、米国本土でもドライバーらによる正社員化要求で苦境に陥っている。

従来型のタクシー、各国の地場企業が運営する配車プラットフォーム、自社の契約ドライバーとの対立は、Uberの発展にとって潜在的なリスクをはらんでいる。
(翻訳・永野倫子)

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