農村部の人手不足を解消、スマート農業機器の量産化を実現した「FJ Dynamic」

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農業の分野では、現在機械化からスマート化へのアップグレードが進行中である。この変革は巨大な社会的メリットと商業利益をもたらすものであり、そのことが多くの投資者を引き寄せている。スマート農業機器メーカーの「豊彊智能(FJ Dynamic)」もその一例だ。

豊彊智能は2017年12月に設立され、主に農業事業向けスマート化とデジタル化ソリューションを手掛けている。現在、同社には農業、畜産業、ビッグデータと産業ロボット等の事業がある。そのうちの農業ロボット事業は「耕作、田植え、管理、収穫」の4つのプロセスに関わり、豊彊智能は提携先とともに田植え機、収穫機、トラクターと作物保護ドローンを含む自動運転農業機器ソリューションを開発している。

農業分野に進出する理由について、同社のCEOの呉迪氏によると、1つは「危機感」で、もう1つは「ビジネスチャンス」だという。現在、中国の農村部の人口は高齢化が進み、若年層の労働力が今後ますます不足していく。若者は高い生活費を払い、出前スタッフのような仕事をしてでも、大都市で暮らすことを望み、農業に関わりたくないと考える。このような現状では、デジタル化とスマート化が進んだ仕事でなければ、教育水準の高い若者を農村へ呼び戻すことができないと思われる。また、農業生産は一定の区域内で、低速で重複した動きが多いため、人間の代わりにロボットを使うことに適している。更に、政府の補助金があるため、農家が豊彊智能の自動運転田植え機を購入する場合、実際に支払う金額は通常の田植え機よりも低い。自動運転ソリューションの導入は作業時間を延長し、作業精度を高め、農家の生産効率の向上、収入増、コスト削減に繋がると同時に、騒音と粉塵から作業者を解放することができる。

呉氏によると、従来の人工操作の田植え機は、苗をきれいに均等に植えられない場合があり、そうなると一部の苗が正常に生育できず、生産量が下がってしまう。そのうえ、人件費も高い。同社の自動運転田植え機の場合は、これらの問題を解決することができ、生産量の向上と人件費の削減に繋がる。

また、呉氏によると、以前コンシューマーエレクトロニクス業界に進出したことがあるが、それと比べると、農業ロボットは生産用の器具であるため、農家たちは製品の質とコストにより厳しいという。

市場規模について、同社が提供する資料によると、2018年に中国の農業機器の総生産高が5290億元(約8.5兆円)で、2025年に8000億元(約12.8兆円)に達する見込みだという。なかでも、スマート農業機器が爆発的に成長すると見られ、2018年の総生産高106億元(約1700億円)から、2025年には2400億元(約3.8兆円)になると予想されており、その場合年平均成長率は56%となる。

呉氏によると、2019年から小規模な量産が実現し、数百台のスマート田植え機、収穫機、および作物保護ドローンが販売された。2020年には数千台のスマート農業機器を販売する予定だという。また、自社開発した港湾用AGV(無人搬送車)が2019年から実地テストを始めたという。

ビジネススキームについて見ると、同社は販売を中心とし、一部リースも行っている。自動運転機能の後付けも可能だ。同社の製品は現在、中国の新彊、東北地域、湖北省、江蘇省等で販売され、欧州と日本等の海外市場でも販売されている。2020年には既に数億元(数十億円)の受注を獲得したという。また、中国の国有農場等の大手農業業者向けに、カスタマイズされたスマート農業ソリューションサービスを提供することもできる。

豊彊智能は中国の大手自動車メーカー「東風汽車」および「新華保険(NCI)」等から出資を受け、株主の戦略的支援を受けている。

また、スマート農業機器事業以外に、同社は2019年8月にスウェーデンの畜産業の老舗「Sveaverken AB」を100%子会社化した。Sveaverkenの製品は欧州の500余りの牧場で使用され、スウェーデンの畜産業市場シェアの70%以上を占めている。

(翻訳:小六)

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