顔写真アップするだけ 自分のバーチャルモデルによる服選びの「MIHAI」

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顔写真アップするだけ 自分のバーチャルモデルによる服選びの「MIHAI」

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好きな服をバーチャルでコーディネートすること(仮想試着システム)は、ECプラットフォームから生まれる場合が多い。ユーザーはバーチャルモデルに服を着させて自分に似合うかどうかを見てから、最終的に買うかどうかを決める。「好買衣(HAOMAIYI)」を始めとするバーチャルコーディネートサービスは、「淘宝(TAOBAO)」、「天猫(TMALL)」などのECプラットフォームと提携し、最終的な商品販売を主な利益指標としてきた。しかし、各種バーチャルライブ、バーチャルSNSが現れたことで、バーチャルイメージキャラクターもより多くのシーンに現れるようになっている。同様に、バーチャルキャラクターをベースとするバーチャルコーディネートにも新たな手法が現れてきた。

36Krはこのほど、ユーザーがバーチャルコーディネートを体験できる「蜜嗨(MIHAI)」アプリを制作したスタートアップを取材した。

蜜嗨アプリを制作した「雅奢信息技術(Yashexinxijishu)」は3Dバーチャルコーディネートシステムを自社で開発し、陳列された服を2Dから3Dにモデリングし、毎日1000着の3Dバーチャルウエアを作りだした。1着にかかるコストは1元(約16円)未満だという。ユーザーは自分の顔写真をアップロードしてアプリで顔のバーチャルイメージを作り、自分の身体サイズのデータを組み合わせた後、自分専用のバーチャルモデルに3Dの衣服を試着させる。

蜜嗨アプリによるバーチャルコーディネートのサンプル画像

蜜嗨アプリもその他のバーチャルコーディネートアプリ同様、EC機能が付いており、アプリ上の衣服はすべて実際に購入することができ、漢服(中国風の衣装)からカジュアルなものまで用意され、そのうち漢服が8割を占めている。創業者の範玉剛氏は、購入頻度が低い漢服や、単価が高いニッチななアパレル市場向けにバーチャルコーディネートツールを提供するため、蜜嗨アプリを開発したと述べている。また、漢服の愛好者にしてみれば、写真撮影自体が漢服を購入する愛好者のコアな需要であり、バーチャルコーディネートはまさにこの点を満たしている。したがって、EC販売と比べて、バーチャルコーディネートアプリのサービス体験は同社のチームがより関心を寄せている点だ。

創業メンバーが漢服を選択したのも、漢服のバーチャルコーディネート需要がより顕著であったほか、漢服が流行し話題の中心になっている点がその要因だ。統計では、漢服の愛好者数は2019年、前年比74.4%増の356万1000人に上っている。淘宝では、漢服の取引額が2019年に20億元(約320億円)を超え、年間平均成長率は150%を維持、SNS上では漢服はここ最近長らく話題の中心となっている。ショート動画共有アプリ「抖音(Douyin、海外版はTikTok)」では、漢服に関連するトピックは200件近くに上り、漢服に関する動画は89万5000本、再生回数は累計延べ248億4000万回となっている。また中国版ツイッターと呼ばれる「微博(Weibo)」では、漢服のトピック数は344万6000本、閲覧件数は27億6000万回となっている。

範氏は、蜜嗨アプリのこれまでの集客難が、漢服への高い関心度により明らかに改善されているとの認識を示した。リリースから現在まで、蜜嗨アプリは抖音などのプラットフォームで広告を打っていたが、その時のユーザーはSNSなどから流れて来る人が多かった。同氏は、蜜嗨アプリが今年1月21日にリリースされて以降、ユーザーはすでに2万5000人に達し、毎日の新規ユーザーは2000人前後となっており、そのうち、デイリーアクティブユーザーは40%、翌日継続率は70%に達していると明かした。

同プラットフォームのバーチャルコーディネートサービスでは月極めと一回ごとの支払いの2種類を設定、一回のコーディネート価格は10元(約160円)前後、会員になれば毎月約19元(約300円)で使い放題となる。現在、課金ユーザーの獲得率は20%以上あり、リリースから2週間の売上高はすでに10万元(約160万円)を超え、そのうち、バーチャルコーディネートの売上が90%を占めている。

蜜嗨アプリは主にメーカー、チャネルパートナーのほかに、一部のオリジナル商品もあり、ユーザーも個人の好みで自分だけの商品をカスタマイズできる。

創業者の範氏はシリアルアントレプレナー(連続企業家)であり、かつてはワンステップ支払いの「吉兔金服(JituJinfu)」を創立、現在はさらにAI技術オープンプラットフォームを運営し、ディベロッパーおよび企業ユーザーにAIアプリケーション開発のためのSDK、APIインターフェイスなどを提供しており、顔認識、ARによる美顔・メイクなどの機能を実現している。蜜嗨アプリの3Dモデリング技術も同プラットフォームから生まれたものだ。

同氏は、「蜜嗨アプリの現行のSKUは100足らずで、通常の商品出品頻度は毎週一回だ。次なるステップとしては、より多くの商品出品を維持し、さらにSKUを伸ばし、ニューメディアによるマーケティングなどの方法を運用してユーザーを開拓していく」との見解を示した。同社のエンジェルラウンドでの資金調達は現在進行中だ。
(翻訳:lumu)

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