スマートシティの実現には3D地図、都市の運営状態を「見える化」

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デジタル3D地図サービスプロバイダーの「AIRLOOK(埃洛克航空科技)」が昨年11月、シリーズB+で約1億元(約15億円)を調達したことがわかった。リード・インベスターは「広発乾和(GF Qianhe Investment)」、コ・インベスターは「常春藤資本(Ivy Capital)」、「紀源資本(GGV Capital)」、「百度風投(Baidu Ventures)」。調達した資金はデジタル3Dビューを用いた地図サービスの研究開発と実用化に充てられる。

AIRLOOKは2015年に設立され、位置データの取得や処理、応用などに関する技術・製品の研究開発を手がけ、政府や企業にサービスを提供している。

創業者の王硯澤氏はデジタル3D地図について、将来的には一種のインフラとなり、人々がどんな場所にでも一瞬で「リーチ」できる手段としてあらゆる分野へ浸透していくだろうとしている。

同社はすでに中国18の都市で3D地図データの収集を終えており、3万平方キロメートル分に及ぶデータを取得している。その中では1~2級都市中心部のデータがメインだった。今年第1四半期には正式にデジタル3D地図サービスを発表する予定で、少なくとも20都市分のデータを揃えるという。AIRLOOKの地図データおよび二次開発機能はクラウドサービスの形式で政府や法人顧客に向け、それぞれにカスタマイズされて提供される。

AIRLOOK
同社が取得したデジタル地図

業界動向

人工衛星・飛行機・ドローンなどを用いて測量した2D地図データと比較すると、3D地図の強みは誤差が少ないことだ。2D画像による地図データは建築物による遮蔽や陰影による誤差がどうしても発生する。

グローバル市場では米アップルおよびグーグルが3Dビューによる世界地図をすでに構築しており、政府や企業に向けてサービスを提供している。ただし、中国においてはモビリティサービス向けや生活サービス向けにデジタル3D地図を提供することが許可されておらず、現行のサービスは大部分が政府や法人向けとなっている。

スマートシティはデジタル3D地図の実用化が最も期待される分野の一つで、都市空間(屋外環境)を3次元で再現し、AIによるデータマイニングや多元化された都市データを通じて都市の運営状態を「見える化」できる。

デジタル3D地図はすでに都市計画、都市管理、有事対応、交通、公安、消防、エコシステムなど政府管轄分野において試験的ではあるが実用化段階に入っている。また、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やトポグラフィーなど屋内3Dデータとかけ合わせて屋内外の空間データを融合するなど、より多くの実用シーンへ拡大してきている。 

その他には、建設・施工分野で費用の見積もりや工期の進捗管理、鉱業における測量計算、風力エネルギー分野における立地選定、災害保険の損失査定、不動産や商業エリアなどの業務管理などに導入されている。

AIRLOOKの革新ポイント

デジタル3D地図のモデリングデータは膨大なため、WiFiやモバイルネットワークといった通常の通信環境下ではデータの読み込み速度やトラフィックの負荷が大きな壁となる。

AIRLOOKはデータそのものを圧縮してクラウドにアップロードし、スケジューリングアルゴリズムを最適化し、プラットフォームのキャッシュを管理するという三つのプロセスを踏むことによって、都市レベルの大きな3D地図データも4Gネットワーク環境下で表示でき、縮尺も自在だ。

AIRLOOKが提供するコンピュータービジョンのアルゴリズムは、都市規模の3D地図データモデルを自動で単体化・分割し、大量のセマンティックデータモデリングを行う。

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 データモデルを単体化することで得られるメリットは、地図上の地物を単独で取り出して各種データをマウントあるいは入力することができ、豊富な業務データを持たせられることだ。セマンティックモデリングはさらに、コンピューターシステム向けに「認識」および「識別」をタグ付けするシステムを構築し、時空間データの分析と予測に用いられる。

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