テンセント2019年第4Q、売上高は単四半期最高の1.6兆円 WeChatのMAUは11.6億人に

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

テンセント2019年第4Q、売上高は単四半期最高の1.6兆円 WeChatのMAUは11.6億人に

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国のIT大手テンセントは18日の香港市場の取引終了後、2019年第4四半期(10~12月)および通期(1~12月)の連結決算報告書(未監査)を発表した。

第4四半期の売上高は前年同期比25%増、前四半期比9%増の1057億6700万元(約1兆6300億円)で、ブルームバーグが予想した1036億9000万元(約1兆6000億円)を上回った。単四半期の売上高が1000億元(約1兆5400億円)を超えたのは初めてだ。

国際財務報告基準(IFRS)における当期純利益(第4四半期)は前年同期比60%増の223億7200万元(約3500億円)、株主に帰属する純利益は前年同期比52%増、前四半期比6%増の215億8200万元(約3300億円)で、ブルームバーグが予想した227億6700万元(約3500億円)を下回った。

テンセントの決算報告書より(以下同じ)

2019年通期の売上高は前年比21%増の3772億8900万元(約5兆8300億円)だった。株主に帰属する純利益は同19%増の933億1000万元(約1兆4400億円)で、非IFRSでは同22%増の943億5100万元(約1兆4600億円)だった。

同社の看板プロダクトであるSNSアプリ「WeChat(国内版は「微信」、海外版は「WeChat」)」の月間アクティブユーザー(MAU)は、国内外合わせて前年同期比6.1%増の11億6400万人に達した。インスタントメッセンジャー「QQ(スマート端末版)」のMAUは同7.5%減の6億4700万人、有料付加価値サービス(VAS)の登録ユーザー数は同12.4%増の1億8000万人、動画ストリーミングサービス「騰訊視頻(テンセントビデオ)」の有料会員数は1億600万人に達した。

ユーザーが短編動画の視聴に多くの時間を費やす最近の傾向を鑑み、テンセントも同分野への投入を強化している。短編動画に特化したアプリ「微視(WeShow)」は第4四半期のデイリーアクティブユーザー(DAU)が前四半期比で80%も増加し、1日平均の動画投稿件数も同70%増となっている。

事業別にみると、付加価値サービス事業の第4四半期の売上高は前年同期比20%増の523億800万元(約8100億円)で、そのうちオンラインゲーム事業によるものが同25%増の302億8600万元(約4700億円)だった。スマホゲーム「和平精英(Game for Peace)」「PUBG MOBILE」の人気や、テンセントが筆頭株主となっているフィンランドのゲーム会社「Supercell(スーパーセル)」の作品が売り上げに貢献した。また、海外からの売上高が前年同期比で2倍に上っており、オンラインゲーム事業の23%を占めるまでに成長している。一方、SNS事業の売上高は同13%増の220億2200万元(約3400億円)で、ライブ配信サービスや音楽ストリーミングサービスなどのデジタルコンテンツが売上増に貢献した。

フィンテックおよび法人向けサービス事業の売上高は前年同期比39%増の299億2000万元(約4600億円)だった。モバイル決済サービスがもたらした収入と、特定分野においてクラウドサービスの浸透が進んだことが売上高に反映した。モバイル決済サービスの取引回数は1日平均10億回、MAUは8億人(消費者)、5000万社(導入業者)となっている。

前四半期に初めて決算報告書に掲載されたクラウドサービス事業の売上高は通期で170億元(約2600億円)で、前年比86.8%増となった。新型コロナウィルスの感染拡大を受けてリモートワークへの需要が急増した関係で、オンライン会議アプリ「騰訊会議(Tencent Meeting)」のデータも今四半期に初めて決算報告書に掲載された。昨年末にリリースされてわずか2カ月弱でDAUは1000万人を超えている。

インターネット広告事業の売上高は前年同期比19%増の202億2500万元(約3100億円)で、そのうちSNS・その他の広告による売上高が同37%増の162億7400万元(約2500億円)だった。WeChatのモーメンツ(タイムライン)に掲載される広告や、テンセントの広告掲載プラットフォーム広点通(GDT)経由の広告の売上がこれをけん引した。

昨年初め、テンセントはWeChatのモーメンツに掲載される広告本数をユーザー1人につき1日2本から3本に増やし、同年末には1日4本にまで増やした。また国信証券(Guosen Securities)の試算によると、WeChat内で稼働するミニプログラム(アプリ内アプリ)が本格的な収益化に向けてエコシステムおよびユーザー基盤を整えた影響で、ミニプログラム広告の売上高が通期で20億元(約300億円)にまで達した。その他のメディア広告の売上高は同24%減の39億5100万元(約600億円)で、これは一部のドラマシリーズの放映時期が後ろ倒しになったこと、米プロバスケットボールNBAの試合中継回数が減少したことに起因している。

同日の取引終了後、テンセントの株価は4.52%下落して終値334香港ドル(約4700円)、時価総額3兆1900億香港ドル(約44兆8500億円)となった。
(翻訳・愛玉)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録