中国発のプチプラコスメ「完美日記」が100億円超を調達、優れたSNSマーケティングで若者掴む

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中国発のプチプラコスメブランド「完美日記(PERFECT DIARY)」が最新シリーズで1億ドル(約110億円)を調達したことが、米テック系ニュースサイトThe Informationの1日付の報道でわかった。リードインベスターはタイガー・グローバル・マネジメントで、「厚樸投資管理(HOPU Investment Management)」や「博裕資本(BOYU CAPITAL)」も出資した。

今回の資金調達によって同社の評価額は20億ドル(約2150億円)となった。わずか半年前の昨年9月に資金調達を行った当時の評価額10億ドル(約1070億円)から倍増している。

完美日記は2017年に設立され、同年に中国の大手EC「天猫(Tmall)」に旗艦店を開設。開店当日の販売額は100万元(約1500万円)を突破した。トレンドに敏感でなおかつ高コストパフォーマンスな商品と突出したマーケティング力を駆使し、2018年にはソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」を介して人気が上昇、多くの若年層ユーザーを取り込んだと同時に「国産コスメ」の一大ブームの火付け役となった。小紅書でのフォロワー数は昨年末には173万2000人に達したが、これは仏高級ブランド、イブ・サンローランの9万2000人と比較にならない数字だ。

2019年に入るとさらなるブレークスルーを果たす。小紅書以外にも大手EC「淘宝網(タオバオ)」や中国版ツイッター「微博(Weibo)」、世界中で人気の短編動画アプリTikTokの国内版「抖音(Douyin)」など多くのプラットフォームでフォロワーを増やしていった。中国で年間最大のオンライン通販セール「双十一(ダブルイレブン)」では売上高1億元(約15億円)を達成した初のコスメブランドとなり、また同カテゴリで売上高1位となった。コスメカテゴリ1位はドメスティックブランドとして初の快挙だった。今年に入っても、1~2月の販売額が前年同期比250%増という成長ぶりだ。

わずか2年余りで完美日記は若年層のシンボル的なコスメブランドに成長した。その加速はとどまることを知らない。昨年1月にはオフラインへ進出。広州市に初の実店舗を開業した。その後3年以内に100都市で600店舗を展開すると宣言している。

大規模なオフライン戦略を支えるのは主に数回にわたって調達してきた資金と、それによって築いた優れたサプライチェーンだ。完美日記とほぼ同時期に設立された国産コスメブランドの多くにとって資金やサプライチェーンが足かせになっているのとは真逆だ。完美日記は設立以来4回の資金調達に成功しており、これまでにヒルハウス・キャピタル・マネジメント(高瓴資本)やセコイアキャピタルチャイナ(紅杉中国)、真格基金(ZhenFund)などの大手投資機関から出資を受けている。

今回は前回から半年も経たずに資金調達に成功している。これは同社の事業が多額の資金を必要としていることも意味する。サプライチェーンに対してはもちろんのこと、オフライン展開におけるマーケティングにも潤沢な資金が必要だ。また、資金調達によって企業評価額を引き上げ続け、資本市場に対してブランドの成長力や生命力をアピールしたいとの狙いもある。

完美日記の資金調達履歴(企業情報データベース「天眼査」より)

今年、完美日記は人気ライバー李佳琦(Austin)と提携し、彼の愛犬をモチーフとしたアイシャドウを発表。新たなマーケティングの形として注目を浴びた。設立3年を待たずしてユニコーン企業となった完美日記は、新型コロナウィルスの影響で実店舗展開を一次棚上げしたとしても、今後ますますペースアップして走り続けるだろう。

(翻訳・愛玉)

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