中国代替肉「Starfield」が生鮮食品分野に進出 ネットスーパーで販売開始

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ編集部お勧め記事注目記事

中国代替肉「Starfield」が生鮮食品分野に進出 ネットスーパーで販売開始

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

先ごろ、中国の植物肉(植物由来の代替肉)ブランド「Starfield(星期零)」が、初となるEC向け植物肉製品を発表し、生鮮食品チェーン「銭大媽(Qdama)」のECプラットフォームで販売した。4月11日には、新製品のプロモーションとしてWeChatでのライブ配信を行った。Starfieldによると、販売開始から3日間で、1500件以上の注文があったということだ。

今回発売されたのは、「Starfieldブラックペッパー植物ビーフパテ」と「Starfieldブラックペッパー植物ビーフボール」で、ビーフパテは2枚入り82gで18.8元(約280円)、ビーフボールは150gで19.9元(約300円)だ。

画像提供は星期零

現在、植物肉は世界中で大規模にプロモーションされており、植物肉メーカーは食品技術を駆使して、植物性タンパク質だけを使った口当たりも本物そっくりの「肉製品」を製造する。

昨年から投資家も植物肉に注目しており、関連するベンチャー企業は相次いで資金を調達している。食肉加工メーカー「金字火腿(Jinzi Ham)」の植物肉パテ、おやつブランド「百草味(Be & Cheery)」の植物肉スナックなど、大企業も参入し始めた。しかし、販売データから見るに、植物肉はまだ物珍しさから購入されるケースがほとんどのようだ。

Starfieldは現時点で、公表されている資金調達額が国内最大の植物肉スタートアップだ。今年3月には「マトリックス・パートナーズ・チャイナ(経緯中国)」や「愉悦資本(Joy Capital)」から数千万元(数億円)を調達している。また、Starfieldはこれまでにも茶飲料ブランド「奈雪の茶(NAYUKI)」、ピザ・チェーン「Papa John’s」、深圳を中心に展開するファーストフード「紅荔村(honglicun)」、上海の人気カフェレストラン「Brut Eatery(悦璞食堂)」、インスタ映えすると話題の北京のカフェ「花厨(tomacado)」など、多くの有名飲食店と提携してきた。

Starfieldが「腸粉(チョンファン、米粉で作ったクレープのようなもの、広州B級グルメ)」で有名な紅荔村への大規模食材提供で提携したことは、中国の植物肉メーカーによる国内初の快挙だとStarfieldは言う。紅荔村とのコラボレーションで売り出した「藤椒植物肉腸粉」は、販売開始から3日で1200皿以上を販売した店舗もあったという。

画像提供は星期零

飲食店に加えて、生鮮小売企業との提携も不可欠だ。欧米のスーパーマーケットの一部店舗では植物肉が動物肉と並べて販売されており、カテゴリーでは植物肉も「肉」に分類される。植物肉メーカーは、小売チャネルの助けを借りて家庭の食卓に入り込むことに成功している。

中国生鮮小売企業にとって植物肉にはどんな意味があるのか。品質を追求する生鮮小売チェーンである銭大媽が植物肉を販売するのは、商品の品揃えを充実させ、消費者により多くの選択肢を提供するためであると同社のEC責任者は説明する。植物肉は現時点でまだ動物の肉の完全な代替品にはなれていないが、毎日の食卓をアップグレードすることはできるとしている。今回販売するにあたってミートボールやパテを選択した理由は、複雑な調理の必要がなく、少し手を加えるだけで美味しい料理になるため、気軽に使用してもらえるからだという。

現在市場に出ているのは、改良版である植物肉バージョン2.0だ。香料を添加せず、植物だけで新鮮な肉の風味を再現したもので、肉の赤を再現するにはレッドビーツ(火焔菜)を使用する。Starfieldが間もなく販売するバージョン3.0では、肉の脂肪酸の組成を分析し、植物脂肪酸を使って再現することにより、肉独特の香りをも再現した。

商品ラインナップでは、さまざまな企業と提携して植物肉を使ったハンバーガー、タコス、ソーセージ、ピザ、ミートボール、パテなどを販売しており、洋食も中華料理もカバーする。

長期的に見ると、植物由来の食品としての意義は、主に食品の安全性と効率的な資源利用にある。最新技術により加工、生産される植物肉は、動物の肉より食品の安全性をコントロールしやすい。また、畜産から食肉を作るには「植物→動物→肉」の連鎖を必要とするが、植物肉ならこの連鎖を短縮できる。植物から直接タンパク質を抽出して肉を作ることにより、資源利用効率を高め、環境汚染を減らせるのだ。

国連のデータによれば、世界人口は2020年に97億人に達すると見込まれる。英市場調査会社「IDTechEx」が、現在の飲食の仕組みから世界の食料生産量について計算したところ、この人口を養うには生産量を70%増加させる必要があるとの結果が出たという。畜産業は農業用地の77%を占めるのに対し、生産される動物の肉は世界の消費カロリーの17%しか提供できないともレポートしている。人間社会は動物の肉に代わるタンパク質の供給源を見つけなければならないのだ。
(翻訳・永野倫子)

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録