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テンセントは多くの小学生からApp Storeで一斉に星一つを付けられたことにもめげず、独立したオンライン教育アプリ「騰訊作業君(テンセント宿題くん)」を「QQ課堂(QQクラス)」に続き新たにリリースした。このアプリは教師がオンラインで宿題を出すのに便利な製品だ。同社はWeChat(微信)のミニプログラムも併せてリリースし、教師と生徒がWeChatでも同アプリを使用できるようにした。
App Storeでの説明によると、騰訊作業君はオンラインでのドリル作成、宿題の配信、提出、添削、結果の統計などがワンストップで行える宿題関連アプリだ。36Kr系列のメディア「Tech星球」が実際に体験してみると、騰訊作業君のアプリは主に「クラスのお知らせ」「私の宿題」「宿題詳細」および「私の解答」の4つの機能に分かれていた。
「テンセント教育アプリケーションプラットフォームプラン概要」の説明では、教師または生徒は学校から配布されたIDとパスワードを入力し、ログインするとクラスのひも付けが自動で行われ、現在のクラスのお知らせや通知が見られる。
教師がPC版プラットフォーム「騰訊作業」で宿題を出すと、生徒がモバイルアプリ「騰訊作業君」で提出した宿題が教師のプラットフォームに統合される。選択式問題は自動添削され、記述式問題についてはAIによる添削サポートがある上に、英会話評価や作文添削などのAIサービスも受けられる。
「騰訊作業君」では一元化された内容索引、検索、使用機能が提供され、教師はPC側で指導補助資料、授業コース、練習問題・テストおよび問題集データベースなどを作成できる。このほか、問題集データベースの中の内容から直接宿題を出すことも可能だ。
生徒がモバイルアプリで解答すると、その結果に基づき学習状況データが自動生成され、教師が生徒の学習簿やクラスの学習状況情報をフォローするのに役立つ。
教師はさらに「騰訊作業」の中のクラウドストレージを通じて、リソースをクラスや学生とシェアでき、教学リソースを速やかに編集・共有できる。
アプリ「騰訊作業君」はテンセント教育アプリケーションプラットフォームの一つで、他にも「騰訊課堂(テンセントクラス)」「英語君」「騰訊会議(テンセントミーティング)」「騰訊文檔(テンセントドキュメント)」など複数のアプリがある。
公式サイトの説明によれば、新型肺炎の発生期間中、同プラットフォーム内の一部アプリケーションを無償で利用できるものの、今後は有料プランが発表されるという。つまり、テンセントは課金方式によるマネタイズを実現していくことになる。
中国の調査会社「QuestMobile」のリポートによると、2020年の春節後、教育学習ジャンルのアプリのデイリーアクティブユーザー(DAU)の規模は通常時に比べ46%増となった。さらに同ジャンルのWeChat(微信)ミニプログラムのDAUも、春節後は通常時に比べ218.1%増加している。
テンセントの教育副総裁を務める陳書俊氏はメディアの取材に対し、春節期間中、騰訊課堂を利用してオンライン学習を実施した教師と生徒の数が全体で128倍近く増加したとの認識を示した。
テンセントが学校教育市場のもたらすビジネスチャンスを見逃すはずはなく、教育関連事業は日を追うごとに充実ぶりをみせている。消費者向けの「企鵝輔導」「騰訊課堂」「騰訊ABCmouse」、さらに企業向けの「騰訊智慧校園」「騰訊智慧高校」などをリリースしており、教育分野ではフルカバレッジの様相を呈している。
テンセントのほか、アリババの「帮帮答(Bangbangda)」アプリ、バイドゥの「百度文庫」、バイトダンス(字節跳動)の「瓜瓜竜英語(Guagualong English)」およびネットイース(網易)の「有道詞典」など、中国のIT大手企業各社がこぞってオンライン製品を発表してきた。大手企業が続々と参入するオンライン教育市場はますますヒートアップしている。
(翻訳・神部明果)
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