アリババ傘下車載システム開発の「斑馬」、組織再編で次世代コネクテッドカーへ進撃

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電子商取引(EC)大手のアリババグループは昨年、自動車大手「上海汽車集団(SAIC Motor)」との戦略提携を強化し、2社の出資により設立した車載システムなどを手掛ける「斑馬網絡(Banma Network Technology)」を再編し、コネクテッドカーの開発に注力していくこととした。アリババは斑馬網絡に追加出資して筆頭株主となり、同社のリソースを斑馬網絡に集中投入している。

この動きの一環として、「阿里巴巴人工知能実験室(アリババAIラボ)」の元CMO、成力氏がこのほど斑馬網絡に異動し、主にマーケティングと広報事業を担当していることが、複数関係者への取材で明らかになった。斑馬網絡に異動したアリババグループ幹部はこれで4人になった。成氏の異動に先立ち、アリババグループの物流を支える「菜鳥網絡(Cainiao)」が手掛ける「ET物流実験室(ET Logistic Lab)」の責任者だった黄佑勇氏、地図サービス「高徳地図(Autonavi)」の高精度地図事業責任者だった徐強氏、アリババのIoT向けOS「AliOS」の運営責任者だった肖睿哲氏が斑馬網絡に加わっている。

今回の人事刷新は、かつて斑馬網絡の発展をけん引した幹部たちの復帰だと言えるだろう。消息筋によると、成氏は2014年からアリババのOS事業群でAliOSのマーケティングを担当し、その後アリババAIラボに異動して、スマートスピーカー「天猫精霊(Tmall Genie)」や車載音声アシスタントなどのマーケティングを担当した。黄氏も斑馬網絡の創設初期からの中心メンバーで、17年に斑馬網絡のCTOに就任している。肖氏も初期のAliOS責任者を勤めている。

上記人事異動のニュースについて、成氏は事実だと認めた上で「生まれ変わった斑馬網絡は、アリババグループのエコシステムの一環を担う。コネクテッドカーシステムと次世代コネクテッドカーに関するコアテクノロジーを構築することで、市場シェアを拡大すると同時に、より多くの自動車メーカーの加盟を目指す」と述べた。

斑馬網絡は、上海汽車集団とアリババグループが2015年、それぞれ10億元(約150億円)を出資して創設したコネクテッドカー産業に関する基金によって設立された。斑馬網絡はAliOSを基盤に車載システム「斑馬智行(Banma)」を開発し、16年7月には同社初のコネクテッドカー「栄威(ROEWE)RX5」を発表した。

公式データによると、斑馬智行はすでに100万台の車両に搭載され、中国コネクテッドカー業界のベンチマークともなっており、「吉利汽車(Geely Automobile)」や「長城汽車(Great Wall Motors)」、「長安汽車(Changan Automobile)」などが、これを追うようにコネクテッドカー事業に進出している。

設立当初から脚光を浴びた斑馬網絡は、18年に幹部の大量離職と製品のアップデート中断という事態に見舞われ、低迷期に入った。これを受け、アリババと上海汽車集団は協議を行い、最終的に事業再編を実施することで合意し、AliOSのオペレーティングシステム全体の知的財産権と業務を斑馬網絡に移行することとした。これを受け、アリババはは斑馬網絡の筆頭株主となった。

今回、斑馬網絡に復帰した人材は、中国政府が国産オペレーションシステムの開発を推進していることが好機につながると考え、復帰に同意したとみられる。36krが昨年末に報じた通り、斑馬網絡は現在、中国工業情報化部傘下の産業基金から約140億元(約2100億円)の調達を計画している。

成氏は36krの取材に対し「斑馬網絡は新たに生まれ変っても、その初心は変わらない。独自のオペレーションシステムとクラウドプラットフォームを業界の技術的基盤とするため、より開放的な姿勢で自動車メーカーと向き合っていく」と述べた。斑馬網絡は業務再編後の昨年末、中国第一汽車集団(FAW)と戦略提携を結び、未来に向けて次世代コネクテッドカーを開発することとした。上海汽車集団や「神竜汽車(東風プジョーシトロエン)」、「長安福特(長安フォード)」などに続き、また新たな大手自動車メーカーが顧客に加わった。

事情を知る関係者は「斑馬網絡は当面、AI音声アシスト機能の開発に力を注ぎ、間もなく次世代車載システム『Venus』を発表する。Venusは『栄威』の新型車に搭載されるだろう」との見方を示している。

(翻訳・田村広子)

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