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アップルがスマートリングに関する特許を加筆更新したという。特許文書をみる限り、この伸縮可能な指輪のようなデバイスは、人のジェスチャーを感知するための超音波センサー、フォースセンサー、タッチセンサーを搭載しただけでなく、ワイヤレストランシーバー、電源ボタン、マイクも搭載されていると考えられる。スマートリングを人差し指に嵌め、親指で操作することが可能な仕様となっている。
アップルのクックCEOはかつて「指こそが最高のインタラクティブツール」と話したことがあり、スマートリングはまさにこの言葉を体現したものだ。現実化すればジェスチャーでiPhoneやMacを操作できるようになるだろう。
アップルは2015年にすでに指輪型デバイスの特許を米国の特許商標庁に申請し、2019年10月に承認されている。当時の特許文書ではデバイスを「リング状のウェアラブル端末で、音声、ジェスチャー、タッチなどにより、より大型の電子デバイスを操作できる」としている。
アップルはウェアラブル端末分野でマーケットを牽引しており、Apple Watchはすでにスマートウォッチ市場の主役になっている。イヤホンのAirPodsも昨年大流行した。そこで、アップルは次の製品に目を向けたのである。
ウェアラブル端末全体の出荷台数を見ると、この市場はすでに急成長期に入ったということができ、スマホメーカーからすれば有望な成長分野である。IT調査会社の「IDC」の集計では、2019年の全世界のウェアラブル端末の出荷台数は前年比で89%増え、3.365億台であった。出荷台数1位のアップルは1億台以上を出荷し、2〜4位のメーカーの出荷台数の合計に匹敵する。
2位のシャオミ(小米、Xiaomi)のウェアラブル端末の出荷台数は71.1%増の4170万台で、主力製品はスマートバンドだ。3位のサムスンの出荷台数は3090万台で、4位のファーウェイは63.4%増の2790万台だった。
スマートリングでは、Amazonが昨年招待制体験プログラムとして「Echo Loop」という製品を米国限定で発表したが、アップルのものと比べ、インタラクティブの機能が弱く、Alexaのようにボイスコントロールと簡単な電話操作しかできないものであった。招待制というハードルの高さもあって、それほど大きなうねりを生み出せていない。
アップルは毎年大量の特許を申請するため、そのすべてを商品化するとは限らない。しかし、スマートリングの特許を取得し続けていることは、今後の開発の方向性を印象づけるものだといえる。スマートリングの技術はApple Watchと共通するものがあるため、Apple Watchでの投資を土台にスマートリングを商品化するのは、理にかなった戦略だといえる。
(翻訳:小六)
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