マルチQRコード決済サービス「ネットスターズ」が新たに資金調達 既存株主にNTTやLINEも

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QRコード決済サービス「ネットスターズ」が新たに資金調達 既存株主にNTTやLINEも

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日本でマルチQRコード決済サービスを展開する株式会社ネットスターズは5月21日、グローバルに投資事業を展開する「LUN Partners Group(友侖集団)」から戦略投資を受けたと発表した。今回は昨年末の伊藤忠商事による出資に続く新たな資金調達となる。他にもNTT、LINE、日本郵政、新生銀行、住友商事などの大手企業がネットスターズの既存株主となっている。

サービス対象の違いにより、決済事業はto Cおよびto Bという二つの方向性に大別される。to C分野においては、従来型の決済を銀行や第三者決済企業が主導しているが、その後WeChat(微信)、Alipay(支付宝)、百度銭包(現在は度小満銭包)など第三者決済産業が大きく発展し、支払、決済、清算などの業務を行うようになった。しかし第三者決済企業が次々と現れたことで、一つの店舗が全ての第三者決済企業のシステムを利用することがあまりにも不便となり、その結果「マルチ決済(第四者決済)」が登場した。これにより、事業者は一つのマルチ決済企業のサービスを導入するだけで、複数の決済方式により顧客から費用を徴収できるようになる。

ネットスターズは在日中国人を中心とするメンバーにより2009年に設立された。同社のマルチ決済プラットフォーム「StarPay」は、日本本土および海外のモバイル決済を統合し、「ハードウエア+決済ソリューション」により各タイプの店舗にサービスを提供することで、日本人および海外からの旅行客が日本の店舗でQRコード決済を利用できるようにした。

ネットスターズが拠点とする日本は、キャッシュレス決済の割合が20%以下と低く、発展が遅々として進んでいなかったが、ここ数年では以下の二大趨勢を背景とした利点も生まれている。

・日本を訪れる中国人旅行客は年々増加傾向にあり、2019年の消費額はすでに1000億元(約1兆5000億円)を突破するなど巨額の消費に貢献。これに伴うスマートフォンでの決済ニーズが店舗におけるQRコード決済の導入を促しており、その便利さが店舗側の意識を急速に変えている。

・日本政府は、キャッシュレス化を促進するため2018年4月に「キャッシュレス・ビジョン」を策定した上で、2025年までにキャッシュレス決済の比率を4割まで引き上げることを目標に、6500億円という巨額の財政金を充てた。また日本の各決済企業も、顧客獲得のためさまざまな手厚い優遇策を発表している。

これらに伴い、日本企業はモバイル決済の商機に目を付け、独自のQRコード決済システムを次々と開発していった。業界構図からみた場合、中国ではAlipayおよびWeChatが二大勢力となっている反面、日本では現地のQRコード決済企業だけでも10社以上存在する。さらに海外のモバイル決済企業も複数参入しており、結果として店舗側のQRコード決済の導入がますます複雑かつ困難になった。このため、ネットスターズをはじめとするマルチ決済企業が日本現地および海外のQRコード決済企業の統一窓口となることで、大きなチャンスを手にしているのだ。

ネットスターズは2015年より日本でQRコード決済事業を開始し、現時点でPayPay、LINE Payなど日本のモバイル決済システムを複数統合しているほか、WeChat Pay、Alipay、「中国銀聯(China UnionPay)」の中国三大モバイル決済システムを導入し、合計37社のモバイル決済に対応。ネットスターズの決済サービスを利用する日本の店舗は20万店を超える。

ネットスターズのスタッフは、決済、IT、財務などの分野におけるマネジメントや業務の経験を有している。今後は中国決済サービス企業のニューリテールにおける製品・サービス経験をもとに、日本の店舗にサービスを提供していくほか、こうした体系を日本以外の海外市場でも展開していく計画だ。

今回出資したLUN Partners Groupの李沛倫氏は次のように述べている。「中国では2013年にモバイル決済市場のシェア争奪戦が始まったが、日本はちょうど今この段階にあり、競争も熾烈だ。ネットスターズはこうしたモバイル決済企業と日本の店舗とをつなぐ極めて重要な役割を果たしている。今年になり爆発的に発生した新型肺炎により、非接触型決済の利便性や安全性に光が当たっている。また来年2021年の東京オリンピックがもたらす海外旅行客の消費ニーズもネットスターズにとってもう一つの商機となるだろう」。LUN Partners Groupは同社のグローバルネットワークを通じ、ネットスターズと自社が投資するフィンテック企業との協業を促し、日本以外の海外市場を引き続き開拓していくとの考えを示した。

(翻訳・神部明果)

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