「618セール」で盛り上がる中国EC業界 主導の京東が快手と提携 蘇寧も激しい価格競争に参戦

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EC大手の「京東(JD.com)」はまもなく17回目の「618セール」(6月18日に開始される一連のセールイベント)を開催する予定だが、今年の618セール発表会の直前、小売大手の「蘇寧(Suning)」の顧偉副総裁は、蘇寧も618セールに合わせたイベントを行い、家電、スマホ、パソンコン、日用品の価格を京東の同じ商品より少なくとも10%安くすると発表した。京東に挑戦状を突きつけた格好だ。

また、京東にも新しい動きが見られた。同社はショート動画プラットフォームの「快手(Kuaishou、海外版は「Kwai」)」と戦略的提携を発表。今後快手のライブコマースを利用し京東の商品を購入する際、京東のサイトにとぶ必要はなく、購入からアフターサービスまですべて快手でできるようになる。

618はアリババ・グループ傘下のECサイト「天猫(Tmall)」が主導するダブルイレブンと同様に、中国のEC業界全体を巻き込む一大イベントになっている。各社がしのぎを削るなか、京東は再び主役に返り咲くことができるのだろうか。

わかりやすい価格競争

各社のマーケティング行動を見ると、セールの手法は非常に似ている。パソコン、家電、日用品を中心とした値下げ、有名ブランドの総裁をライブコマースに招待し話題による効果を狙うといった手法は、蘇寧と京東がともに採用しているものだ。アフターサービスの強化も同じだ。蘇寧は購入者に専属のオンラインコンシェルジュデスクを開設し、京東はカスタマーサービス、アフターサービス、配送などの面で業界最高水準を約束した。

だがやはり、こうした手法より、どれだけ値引きするのかが注目される。これまでのECセールのクーポンは条件が複雑だったり、高額の購入が必要だったりと、必ずしも使いやすいものではなかったが、今年は京東も蘇寧も消費者にわかりやすい値引きをしている。京東は618セールで家電、パソコン、ガジェットなどを購入したユーザーを対象に、30日以内に同じ商品が他社サイトでより安く販売された場合、差額を全額補償するとしている。蘇寧は前述の通り京東より安い価格を約束し、もし京東のほうが安ければ、同じく差額を補償するという。

快手の参入で状況は変わるか

価格競争に注目が集まるなか、京東と快手が戦略的提携を行うことを同時に発表した。

今年の618セールに合わせた提携によって、ユーザーは快手アプリでライブコマースの動画を視聴しながら京東の商品を購入することができ、外部サイトにとぶ必要がなくなった。さらに人気配信者が618セール期間中に京東の商品をセレクションして紹介するイベントも予定されており、大手ECサイトとライブコマースの強力なタッグがこれにより完成する。

ショート動画プラットフォームとECの提携はこれまでも頻繁に行われたが、今回のように外部にとぶ必要がない形式は初めてである。これは両者が商品やユーザーデータの一部を共有していることを意味する。

快手が今回の提携に期待しているのは、京東のサプライチェーンと有名ブランド商品の多さである。快手のライブコマースは低価格のノーブランド商品が中心で、品質やアフターサービスの面で課題があった。ライブコマースの今後の成長を考えた場合、ノーブランドだけではなく、有名ブランドも取り扱う必要があるのは明らかだ。

そのため、快手は今年から有名ブランド品の宣伝イベントを試験的に行い、アパレル、コスメ商品を中心とした7回のライブコマースイベントで6.2億元(約90億円)、家電大手「格力(GREE)」の独占イベントでは3時間で3億元(約45億円)の売り上げを記録し、好スタートを切った。京東との提携はこの勢いに乗じたもので、両社とも「マーケティング能力をともに強化していき、双方の競争力の向上を実現する」ことを提携の重要目的に位置づけている。

京東と快手の提携は、業界全体に大きな影響を与える可能性があるが、蘇寧はそれを待っていたかのように、両社が提携を公表した当日に京東を狙い撃ちした上記のセールを発表した。

蘇寧のセールイベントのポスター

ネット上の反響を見ると、蘇寧がイベントを公表した後、同社の618セールに関する検索が9倍増え、値引き対象商品の注文が426%増えた。現時点では3000以上の商品が10%〜17%の割引を行っている。

新型コロナ発生後最初のECセールとあって、今年の618は重要な意義を持つ。各社とも遅れを取るまいと、話題作りに腐心しているのである。

(翻訳:小六)

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