中国新インフラ整備加速 北京市が自動運転など支える措置を複数発表

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6月10日、北京市が「新インフラ整備加速に関するアクションプラン(2020-2022)」(以下「プラン」と略称)を発表した。その中には自動運転について多くの記述があった。

このプランのなかで、北京市は3年以内に自動運転をサポートできるスマート道路を300キロ敷設し、300平方km以上の自動運転模範区を建設するとした。具体的には、ハイレベルの自動運転(L4以上)に対応可能な、信頼性が高く低遅延の専用ネットワークの建設、自動運転模範区の路車協調型設備の建設の加速を明記している。また、自動運転や自動運転模範エリアの交通、道路管理、消防などを支えるエッジ・コンピューティング、エリアクラウド、データセンターの3つのレベルからなるクラウドプラットフォームを構築するとしている。さらに、これらのインフラによって、中国トップレベルのICV(Intelligent Connected Vehicle、人工知能や高度の通信技術を導入し、安全性や効率性の高い自動運転を可能とする自動車の総称)産業チェーンを形成し、スマート物流とスマートモビリティを中心とする産業クラスターを形成することを目標に掲げた。

自動運転に関連するスマートシティ構想について、上記プランでは交通、環境、安全面を特に重要視し、スマートセンシングの利用で運営のレベルを向上させるとしている。交通や安全面では、2020年末までに1148カ所の交差点の信号のスマート化、2851カ所の信号の改造、特に重要な100の交差点の信号の時間配分の最適化、10の幹線道路でのグリーンウェーブ(信号同期制御システム)の建設を行うことを目標とした。これらの措置は2022年までに北京市街地のすべての交差点で導入される予定。

環境面では、築年数の古い住宅、交通ハブなどで充電スタンドの数をさらに増やし、2022年までに充電スタンドを5万カ所以上、バッテリー・パック交換ステーションを100カ所前後建設するとしている。また、自動車や建設用産業機械車両の汚染排出データを収集し、リアルタイムで情報を共有するデータバンクを立ち上げる。

中国全体で見ても、北京は自動運転を支える行政面での動きが活発な都市の一つだ。最近の取材において、バイドゥ(百度)の副総裁李震宇氏は、北京が今後自動運転の中心地になるとの見方を示した。2019年末の時点で、北京では151の道路が自動運転行動走行テストが可能になっており、その総距離は503.68kmに上る。北京は13社77台の車両に自動運転テストライセンスを交付しており、中国初の自動運転車シミュレーションプラットフォームの規格を制定した。IoVと自動運転向け高精度地図の実用化にも率先して取り組んでいる。その成果の一部として、今年5月に北京経済開発区で自動運転タクシーのネット配車が試験的に開始された。今後3年間、北京経済開発区は自動運転を含むハイテク産業に毎年100億元(約1500億円)の支援金を拠出する予定だ。充電スタンドについては、北京では2019年末までに20.24万の充電スタンドが完成し、市内のどこにいても半径5km以内に充電スタンドがある状態となった。

中国ではすでに14の省や市がニューインフラの建設を支える通知を発表しており、上海、杭州、深圳は政府活動報告において充電スタンドの建設を支援すると明言した。自動運転にとっての追い風が各地で吹き始めており、今後どの都市が中心になるか、目が離せない状態である。

(翻訳:小六)

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