恋愛マッチングアプリ「伊対」が数十億円調達 仲介者が同席するビデオチャットでお相手探し 

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ビデオチャット機能付きの恋愛マッチングアプリ「伊対(Yidui)」を運営する「米連科技(Milian Technology)」がシリーズBで数千万ドル(数十億円)を調達した。リード・インベスターはシャオミ(小米科技)と「雲九資本(Sky9 Capital)」が共同で務め、コ・インベスターは「人民網(People.cn)」傘下の文化産業基金、「順為資本(Shunwei Capital)」「光源資本(Lighthouse Capital)」、既存投資家の「藍馳創投(BlueRun Ventures)」と「XVC」も引き続き出資に加わった。本シリーズでは光源資本が単独で財務顧問を務めた。

2019年6月にはシリーズAで藍馳創投から数千万元(数億円)を、その半年後にはシリーズA+でXVCと藍馳創投から数千万ドル(数十億円)を調達しており、シリーズA、Bを通して調達した資金は1億ドル(約107億円)近くに上る。本シリーズで調達した資金は製品の研究開発、運営、マーケティング、詐欺対策に充てるという。

2018年にリリースされた伊対アプリは、地方市場に狙いを定め、「仲介者」同席のビデオチャットという特色を打ち出している。過去1年間に基本機能の大がかりなアップデートはなかったが、ユーザーが気づかないような部分で多くの改良がなされてきた。社内で「戦略型投資」と呼ぶこの取り組みには億単位の資金が投入されており、主に詐欺対策とレコメンドエンジンの改良が進んでいる。

詐欺対策は技術面と運営面を組み合わせて行う。資金調達が進むにつれて、詐欺対策に投じる費用は年間数千万元(数億円)から1億元(約15億円)を超えるまでに増加した。伊対では技術の開発に費用を投じるとともに、多層構造のチーム作りにも力をいれており、「技術面であらゆる手を尽くした後も、運営面でまだ行えることがある。こうして詐欺被害を最小限に抑えている」と語る。

もう一つの重点項目であるレコメンドエンジンでは、アルゴリズムによるレコメンドと仲介者によるレコメンドを組み合わせようとの試みを行っている。アルゴリズムの有効性は、自分にぴったりの人をいかに早く見つけられるかということに表れてくる。しかし満足のいく効果を上げるにはデータの蓄積やアルゴリズム学習が必要で、これには長い時間がかかる。伊対アプリでは「ぬくもりを感じるアルゴリズム」と称して、システムがレコメンドした内容を仲介者がさらに絞り込むという作業を行っている。1年あまりが経過し、ようやくその成果が見えてきたところだ。

伊対アプリ

製品としては無料サービスと有料サービスをさらに細分化していく計画だ。ユーザー側が企画したチャットやゲームなどは無料で利用できるようにする。「利用を始めたばかりのユーザーには、課金させられているという印象をできるだけ持たせたくない」と創始者の任喆氏は語る。実際、かなり多くの若いユーザーが望んでいるのは無料のソーシャルツールだという。一方の有料サービスでは、主力のマッチング機能を利用するユーザーを性別、職業、地域、年齢、支払能力など、さまざまなモデルやアルゴリズムを駆使して分類していくとのことだ。

さらにグローバル市場における製品の変化に注目すべく研究チームを立ち上げており、「世界中の一般向けマッチングサービスを研究できる」と胸を張る。任氏によれば、最近では音声通話やテレビ通話など複数の方式をミックスした自由度の高いコミュニケーションツールが出現しているといい、この新鮮な方法を伊対で試してみる可能性もあるという。

今や若者にとって「オンラインお見合い」は重要な出会いの場となっている。運営会社によると、伊対アプリのユーザー数は4000万人を超えているという。2020年の春節期間中、アプリのダウンロード数は春節前に比べて1.5倍に増え、ユーザーのアクティブ度も50%以上増加した。収益面でも2019年の年間売上高が10億元(約150億円)近くに上るなど好調で、収入の90%以上は「バラ」などオンラインギフトの購入によるものだという。2020年は売上高の倍増が期待されている。
(翻訳・畠中裕子)

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