進む中国概念株の非公開化 米国での規制強化と国内の制度改革が背景に(一)

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進む中国概念株の非公開化 米国での規制強化と国内の制度改革が背景に(一)

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中国概念株(国内に収入源があるものの国外で上場している中国企業の株)の非公開化が一斉に始まっている。7月6日夜、中国ネットサービス大手「新浪(Sina)」は公式サイトで、董事長兼CEOの曹国偉氏が保有する持株会社「New Wave MMXV Limited」から拘束力を持たない非公開化の提案を受けたことを明らかにした。

これに先駆け、クラシファイド広告最大手「58同城(58.com)」は6月15日、Quantum Bloom Group Ltd.との間で買収・非公開化に関する協議を締結した。6月12日にはテンセントと「黒馬資本(Hammer Capital)」が「易車(bitauto)」の非公開化に関する契約を締結。4月15日には化粧品の共同購入サービスを手掛ける「聚美優品(JUMEI.COM)」が完全非公開化を宣言している。

またIFRの情報によれば、6月18日、「華住酒店集団(Huazhu Hotels Group)」が非公開化により香港株への回帰を計画していることが分かった。とはいえ、華住集団側はこれに関し、市場の憶測に対するコメントは行わないとしている。

過去3カ月弱の間に、計5社の中国概念株の非公開化が正式に発表、またはその意向が伝えられている。

36Krが複数の投資銀行関係者に取材を行った結果、香港株のセカンダリー上場における「時価総額が400億香港ドル(約5600億円)を下回らない、または時価総額が100億香港ドル(約1400億円)を下回らず、直近1年間の売上高が最低10億香港ドル(約140億円)」という基準に基づき統計すると、こうした基準を満たす米国に上場中の中国概念株保有企業は30社近く存在することが分かった。こうした状況の中、中国概念株を保有する大多数の企業が、ゆるやかに非公開化に向かう可能性は非常に高い。

集中的な非公開化の理由とは

非公開化とは、簡潔に言えば大株主が一定の資金を調達して小株主の株式を買い戻し、その後企業が完全に大株主により所有され、企業が上場廃止となることをいう。

中国概念株が集中的かつ秘密裏に非公開化を選んだのは今回が初めてのことではない。

前回の非公開化の波は2013年にわき起こったが、その際には「分衆伝媒(Focus Media)」「巨人網絡(Giant Interactive Group)」「盛趣游戯(Shengqu Games、当時は盛大游戯)」「完美世界(Perfect World)」「奇虎360(Qihoo 360 Technology)」を含む米国で上場中の複数の中国概念株保有企業が相次いで非公開化による上場廃止を実施した。

「以前の非公開化では、時価総額がやや低い状況での国内回帰により新たな資金調達を求めるという意味合いが強かった。だが今回の非公開化においては、米国の市場管理が日増しに厳格化される一方、中国国内の資本市場が徐々に開放されたことで、より適切な環境を求めた結果」だと「凡徳投資(Fund Invbestment)」の総経理である陳尊徳氏は述べる。

米国上院で5月に可決された「外国企業説明責任法」は、今回の中国概念株の国内回帰における背景の一つと考えられる。同法案は米国の公開企業会計監視委員会(PCAOB)が3年連続で外国企業の会計監査状況について検査できなかった場合、発行者の証券の取引を禁止することを求めるものだ。

「匯生国際(Huisheng Guoji)」の管理部総裁を務める黄立沖氏によれば「瑞幸珈琲(luckin coffee)の粉飾事件後、米国法に基づき、同国に上場する全企業の合規性に関する手続きはPCAOBの会計監査制度に則ったものである必要が生じ、企業の監査調書にも目が通されることになった。だが中国の機密保持関連規定によれば、こうした対応は許されない」という。

一方、中国国内の資本市場は、中国概念株の非公開化による回帰に対してより緩和的な条件を提供している。

香港株のグローバルな資本発行メカニズムはますます優位性を増しており、種類株式制度を採用する企業の上場および株式発行を認めている。さらに中国概念株保有企業の国内回帰を奨励するため、香港株式制度に関する再改革が行われた。香港証券取引所は現在、特別投票権を有する株主の範囲を個人から企業または法人実体にまで拡大することを計画しているという。

中国のA株市場では中国版ナスダックと言われる「科創板(スター・マーケット)」および「創業板(チャイネクスト)」において、これまでになかった登録制を推進している、さらに上海証券取引所と深圳証券取引所がVIE(変動持分事業体)スキームを受け入れるようになれば、グローバル資本市場との連動性もさらに高まる。

進む中国概念株の非公開化(二)非公開化は複数の中堅企業による選択肢
(翻訳・神部明果)

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