マイクロソフト、中国新興EVメーカーと車載用AIアシスタントの共同開発へ

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マイクロソフト、中国新興EVメーカーと車載用AIアシスタントの共同開発へ

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7月10日、上海市政府が主催する「2020年世界人工知能大会(World Artificial Intelligence Conference 2020、WAIC)」で、中国の新興EVメーカー「華人運通(Human Horizons)」がマイクロソフトと戦略的提携を結び、華人運通の高級スマートEV「HiPhi(高合)」に搭載するオンボードAIアシスタント「HiPhiGo」の共同開発を行うことを発表した。

マイクロソフトにとって自動車メーカーと提携して純正装備の設計に携わるのは初めてのことであり、同社のAI技術を自動車業界に活用する初めての試みともなる。HiPhiGoは手始めにEVに搭載されるが、将来的には自動車以外の分野に応用が広がると関係者は見ている。

公式発表によれば、今回の提携はマイクロソフトのAIチャットボット技術「シャオアイス(XiaoIce)」をベースに行われるという。同社の技術研究所、サーチテクノロジーセンター・アジアは2014年5月にAIフレームワークの開発に成功。自然言語処理やボイステック、コンピュータビジョンなどの技術を組み合わせて、自然な文章や音声、映像を作り出せるようにした。このシャオアイスをベースに開発された日本向けチャットボットは「りんな」として知られている。

華人運通の発表では、HiPhiは世界初のオープン電子電気アーキテクチャ「HOA(Human Oriented Architecture)」を始め、エッジコンピューティング技術、V2X通信技術、500以上のセンサーを搭載しており、AIや「車・道路・都市の一体化戦略」を推進するのに最適だとしている。

HiPhiに搭載される予定のHiPhiGoは、論理的思考、創造性、自然な会話のスキルを備えており、ユーザーのニーズを自ら感じ取ってアクションを起こすことができる。華人運通の丁磊董事長は、AIの先端技術を活用した自動車業界初の量産モデルだと胸を張る。

マイクロソフト・サーチテクノロジーセンター・アジアの王永東センター長は、同社がボイステック、コンピュータビジョン、自然言語処理、検索エンジン、ナレッジグラフなど多くの技術を蓄積してきたと説明。さらに華人運通も設計やスマートシステム開発などで豊富な経験を持ち、車・道路・都市の一体化を進める上で全面的な取り組みと実績を重ねてきたと語る。

今回の提携によってAI技術の実際的な活用シーンが明らかになり、それが生産力や価値の創出につながるはずだと、王氏は考える。今後、両社は共同でスマートコンピューティングラボを設立する計画で、スマートカー、スマート交通、スマートシティーを推し進めていく上でいっそう提携を強化していく考えだ。

華人運通は2017年に「東海岸基金(East Coast Fund)」、市政府系コングロマリット「江蘇悦達集団(Jiangsu Yueda Group)」、「塩城国投集団(Yancheng State-Owned Assets Group)」によって設立された。丁磊氏は「クルマづくりが最終目標ではない」と度々口にしている。華人運通が目指すのはスマートカーの開発と産業化であり、スマート交通の整備や運営を進め、最終的には未来型のスマートシティーを構築したいとしている。

2019年1月、自動運転車の走行をスムーズにするため華人運通が打ち出した世界初の「スマート道路」が試験運営を開始、同年12月には上海市張江でスマートシティー・モデル園がオープンし、「スマートシティー」システムが始動した。

現在、華人運通の「3つのスマート化」戦略の各事業は順調に進んでいるという。昨年7月に発表された最初の量産モデルHiPhiは、2020年末に小ロットで生産を開始し、2021年には納車できるとのこと。
(翻訳・畠中裕子)

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