コンペ形式で競うエンジニア向けコミュニティ「FlyAI」、 AI産業の裾野を広げる

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コンペ形式で競うエンジニア向けコミュニティ「FlyAI」、 AI産業の裾野を広げる

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新インフラ整備の重要分野の1つとして、中国のAI産業は成長軌道に乗り、その応用範囲を拡大している。機械学習やデータサイエンスの学習者の意欲は高いが、これらの学習には一定のデータ量、コンピューティング能力、応用シーンが必要となる。機械学習エンジニアやデータサイエンティストの人材は少なく、労働単価も高いが、一方で中小企業はよりコストパフォーマンスの高いAIソリューションを必要としている。中国国内外にはいくつかの機械学習・データサイエンスに関連するプラットフォームが設立され、学習者に学習機会を提供すると同時に、コミュニティとしての役割も果たしている。これらのプラットフォームはAI産業の需要・供給と連動し、企業におけるAI導入をサポートしている。

FlyAIは「北京智能工場科技」が運営する機械学習およびデータサイエンスコミュニティで、現在のバージョンは2019年3月にリリースされた。FlyAIは現在流行しているAIフレームワークをカプセル化し、コンペ形式でデータサイエンスの課題を提示し、それに対してユーザーが作成したコードをオンラインで実行して評価を行う。企業はプラットフォーム上で、分析モデルを必要とする課題を提示し、ユーザーからコードやアイデアを得て、実際のビジネスに応用することができる。コンペに参加するユーザーは、コンペの順位によって賞金やその他のオプションを獲得できる。

創業者の任永亮氏によると、現在FlyAIに掲載されているコンペ課題は100種類近くに上り、課題の内容は毎月更新されるという。AIの中でも人気が高い画像認識、自然言語処理、音声認識、構造化データの4つのカテゴリーに分かれており、その中でも画像認識と自然言語処理に関する課題が多い。課題の提供元は2種類ある。

1つ目はプラットフォームが自ら提示する課題で、公益性や教育性の高いプロジェクトをメインにし、簡単で面白い内容のコンペを通じてユーザーに活躍の機会を提供し、同時にユーザーの実力をテストする。

2つ目は顧客企業の需要をプラットフォーム側で分析・整理し、需要のタイプ(分析モデル募集、企業の宣伝、人材募集など)に応じて課題を作成し、ユーザーへ提示する。このような企業需要による課題が、将来的な収益化の重点であり、このためFlyAIは提携企業が持つ実際のデータを利用して、最終的なモデルの実行結果とコードの品質テストを行っている。

Kaggleなどの同種のプラットフォームと比べてFlyAIは、コンペ情報や結果だけでなく、各方面でユーザーの体験を向上することを重視している。FlyAIは分散コンピューティングにより、リソース割り当て、キューイング、結果比較などの難題を解決し、無料でGPUによるトレーニングリソースを提供している。また、作成したコードをオンラインで実行でき、それによってランキングがリアルタイムで変化する。ユーザーは自作の分析モデルを提出した後、オンラインで機械学習を実行してその結果を知ることで、より良い体験を得られる。

FlyAIは、初心者向け、上級者向けなどコンペのレベルを設定している。プロジェクトごとの優勝者には現金とGPU「NVIDIA Tesla」によるトレーニングを行う時間が与えられる。またユーザーはコミュニティ活動に参加することでポイントを貯めることができる。FlyAIはブロガーが技術に関する文章や動画を掲載することを奨励しており、彼らがコミュニティの管理者となって活動を盛り上げてくれるよう育成している。

コミュニティの運営について、FlyAIは150を超えるKOLチャネルと提携をしており、これにはAI・自然言語コミュニティ「AINLP」、画像認識プラットフォーム「CVer」、Pythonマシン学習ライブラリ「PyTorch」、北京科技大学、上海交通大学などが含まれる。また多くの微信(WeChat)グループを作成することで、タイムリーに情報を発信し、ユーザーがプラットフォーム利用時に問題に直面した際、迅速に解決できるようにしている。さらにオフラインイベントも多数開催している。

任氏によると、FlyAIは現在3万人のユーザーを有し、毎日提出されるモデル数は400件を超え、ユーザーの継続率は45%に達している。ユーザーの属性を見ると主として北京、上海、浙江などの都市部在住者で、69%が本科・修士・博士課程の学生、31%が機械学習やデータサイエンス業務の従事者だ。新型コロナウイルスの流行期間中、FlyAIはCTによる新型コロナウイルス感染症の診断、マスク着用検査、X線画像による肺炎患者の発見、人が密集する場所での通行人検査などのコンペを開催し、新規ユーザー数の増加は通常の1.5倍になった。

FlyAIはまだビジネスモデルを模索中であり、現在は有料で良質なコードをダウンロードできる機能などを開発している。任氏は「今後は既存ユーザーの蓄積をベースに広告企業や求人企業などを通じて、新たなユーザーを獲得していく。同時にエンジニアや企業との関係を強化し、企業向けにカスタマイズされたAI技術のアウトソーシングソリューションを提案することで収益化を実現していきたい」と述べている。

FlyAIのチームは約15人で半分がエンジニアだ。短期的にはAI開発に関するトップコミュニティとなることを目指し、長期的にはAIについての需要がある企業にコード、ソリューション、人材情報を提供していきたいとしている。
(翻訳・普洱)

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