中国最高学府発のミリ波レーダー 人物位置検出やバイタル測定など活用は無限大

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ミリ波レーダーを活用したスマートセンサーを手がけるスタートアップ「清雷科技(Qinglei Technology)」がエンジェルラウンドで数千万元(数億円)を調達した。出資は「真格基金(Zhen Fund)」と「策源創投(Ceyuan Ventures)」が共同で行ったもので、調達した資金はミリ波レーダーを活用したスマートソリューションの開発や「AI+IoT」の実用化を進めるために用いられる。

清雷科技は2019年9月に設立、コア技術および創業メンバーのルーツは清華大学だ。同社はミリ波レーダーを使ったスマートセンサー技術の研究開発に従事しており、AI+IoT業界の応用シーンを想定したシステム設計やスマートアルゴリズム、ハードウエアモジュール、データサービスなどのスマートセンサー関連ソリューションを提供している。

現在はスマートホーム、ウエアラブル端末、医療ヘルスケア、セキュリティーなどの業界にフォーカスしており、非接触型身体検査のほか、位置情報、姿勢認識、転倒アラート、ジェスチャー認識、呼吸・心拍数モニターなどのスマートセンサー機能を提供している。

呼吸・心拍数モニター

波長が1~10ミリの電磁波をミリ波という。ミリ波レーダーはアンテナからミリ波を放射し、対象物で反射した信号を受信・処理することで対象物の距離や角度、速度、散乱特性などを正確かつ即座に算出するものだ。

「ミリ波レーダーは長距離の検知が可能で、対象物の動きを高精度に検知できるほか、光の影響を受けず、コストコントロールしやすいという利点がある。IoT分野の運動検知やヒューマン・マシン・インタラクションなどにおいては、LiDARやToFセンサーを使うよりミリ波レーダーを導入する方がコストを抑えられる。可視光センサーと比較しても、ミリ波レーダーのほうが光の影響を受けることがなく、顔画像や居住環境などの個人情報が流出する恐れもない」。こう語るのは清雷科技創業者の丁玉国氏だ。さらにこう続ける。「ミリ波レーダーとほかの技術との間に決定的な優劣が存在するわけではなく、絶対的な代替関係があるわけでもない。異なる活用シーンごとに、必要に応じた最適な技術を選べば良い。個人情報保護が重視されている今日では特に、ミリ波レーダー技術のアドバンテージがいよいよ鮮明になっている」

人物位置検出

丁氏によれば、清雷科技はすでに中国内のスマートフォン、スマート家電、自動車電子部品を生産する大手メーカーと提携関係を結んでおり、近くレーダーによるスマートセンサー機能を搭載したシリーズ製品をリリースする予定だという。

清華大学での10年以上の研究成果をベースに開発された清雷科技のスマートセンサーは、業界内でもトップレベルの技術を誇る。Googleが2019年10月にリリースしたスマートフォン「Pixel 4」にはミリ波レーダーによるジェスチャー認識が搭載され、画面に触れずに操作することが可能になった。「我が社の姿勢認識、ジェスチャー認識、微動作認識は、対応するジェスチャー数や認識精度などを考えても、世界トップクラスの企業と十分に渡り合えるだけの競争力を持っている」と丁氏は胸を張る。

ジェスチャー認識

今回出資した真格基金パートナーの鄭朝予氏はこう語る。「電磁波は周波数ごとに異なる特性を持っている。AI+IoT業界におけるミリ波レーダーの可能性は非常に大きい。スマートホームに導入すれば、室内にいる人数や位置、姿勢などのデータを正確に把握し、それに基づいて空調や照明、カーテンなどを自動で調節できるようになる。また呼吸や心拍数などのバイタルサインを測定したり、高齢者の転倒を検知したりもできる。数年以内に、ミリ波レーダーの活用は爆発的に増加するはずだ。清雷科技にとって間違いなくチャンスとなるだろう」

(翻訳・畠中裕子)

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